詩人:aria | [投票][編集] |
前に倣え
先頭は腰に手を
足並み揃えて
右足から一歩
昨夜
夢の中で
在るはずの無い
鎖を見た
引き千切ろうと
試みるあたしを
母が叱った
ねぇ
放射状に飛沫
幼い頃に割ったびぃ玉
掴み取った光の欠片
硝子の破片から一雫
海の深くで
君が泣く
揺れる
揺れる
揺れる
水面に映った
おぼろげな虚像は
きっと
あたしだった
きっと
あたしだった
過去に倣え
引き摺る事を
糧と誤解
前進なら一興
今夜
隣に座った男は
君と
同じコロン
掻き消す香は
錯乱
立ち上がれぬのは
脚か気持ちか
ねぇ
平行線に葛藤
幼い頃は透けてたびぃ玉
かざした光に屈折
混ざりものの将来像
空に遠くで
君が泣く
叫ぶ
叫ぶ
叫ぶ
漂う雲の如く
千切られたのは
きっと
あたしだった
きっと
あたしだった
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一服いかが?
自己満足に頑張った
一日に甘いご褒美を
午前三時なら
アフォガードが含む
矛盾にリボンをかけて
哲学という名の
スイーツに
苦い嫌悪の
シロップで
タイムを入れる時間が無いから
もう一本
拝借するのを許してね
一人を知るには
もってこい
混沌とした
思考を玩具に出来る夜
生意気吐くのが
大好きな口
漸く眠る頃
明日はもう3cm
低い姿勢で
もう10秒
笑っていられるように
アフォガードが含む
矛盾を愛でるように
砂糖が甘く
感じられたら
もう
不要な習慣かしら
時間と何かが狂った
午前三時のティータイム
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君と
一番最後の日
今まで
吐いた嘘
背の低い順から
白状したのさ
終わりを感じたら
やっと言えたのさ
言い続けた
『大丈夫』が
『ごめんね』に
すり代わる
信じ続けた
『愛してる』が
『愛してた』に
変わってた
君と
一番最後の日
今まで
吐いた嘘
背の低い順から
白状したのさ
それでも
最後に
嘘吐いた
『愛してるなんて嘘』
そんな
嘘吐いた
君と
一番最後の日
背の低い順から
白状した
今まで
吐いた嘘
最後尾は
未だ白状出来ぬまま
嘘吐きの関係は
未だ改善されぬまま
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悪いね
ほんの少しだけ
嘘を
この思考を
断ち切りたいのさ
悪いね
ほんの少しだけ
声を
あたし一人では
届かないのさ
夜はお嫌いですか?
すぐに明けてしまうから
繋げない手の平に
永遠は居留守
進まない脚に
夢は外方を向くのさ
朝はお嫌いですか?
ゴールの途端にスタートだから
募らせる時間に
想いは悪循環
追い求める理想は
角を曲がって逃げたのさ
どうにも上手く
転んでくれんね
さすがに
何かが折れかけて
どうにも上手く
起きてくれんね
とうとう
治りもしないのさ
悪いね
ほんの少しだけ
嘘を
麻痺でもしなきゃ
歩けないのさ
悪いね
ほんの少しだけ
君を
あたし一人では
生きられないのさ
明日は
一人で生きるから
悪いね
今日は
ほんの少しだけ
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感覚的に晴れ
笑うしかないような雨でも
感覚的に晴れ
嘘じゃないのよ
その時世界は
確実にクリアだったのさ
殺意という
幻覚を視る量の
仕事とか
恋という
錯覚を盲信する
関係とか
理想が
絡まって
走れなかったり
ノイズが
古傷を
覚醒させたり
君が
夢の中で
愛してくれたり
笑うしかなかった一日
それでも
嘘じゃないのよ
果てしない
憂欝のブルー
地平線のその奥の
地平線まで染め上げて
クリアに視えたのさ
怖いくらいに
やっと
聞こえたのさ
ぽつりと取り残された
あたしが
叫び続けていた言葉
笑うしかない雨に
笑われていたあたし
それでも
感覚的に晴れ
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複雑な思考回路で
思い切り
明確(クリア)で
単純(シンプル)なこと
考えたいね
いいんだ
生物学専攻じゃないし
利己的遺伝子なんか
関係ないね
君が好きだから
君が好き
いいんだ
心理学興味ないし
精神的依存とか
言われたってね
君が好きだから
君が好き
リアルとか
シビアとか
正直
流行遅れなのさ
証明書ばかり溢れて
結局
事実が置き去りなのさ
複雑な思考回路で
思い切り
明確(クリア)で
単純(シンプル)なこと
考えたいね
君が好きだから
君が好き
永久保障もない
それだけの気持ちで
笑いたいね
それだけの錯覚で
幸せになれるのにね
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足蹴にされた瞬間に
紙っきれになったモノは
やたら重量が増したんだ
だって手が震えてた
見上げた空を阻む
大きな看板が哀しいのは
そこに映って笑いかけるのが
君じゃなかったから
ぶつけるように
電話口で怒鳴った
「君の夢は何だっけ?」
「あたしの夢は何だっけ?」
深夜の静けさが
やけにうるさかったんだ
強くなりたい訳じゃないのに
それを理由に告げたサヨナラ
天邪鬼だとバレていたけど
笑って手を振ったんだ
全力疾走で
君を愛したから
全力疾走で
夢を追った
派手に転んだら
目を瞑って立ち上がる
手を差し伸べる君を期待しないように
強くなりたい訳じゃないのに
それを理由に告げたサヨナラ
半ば真実になりかけてたんだ
本末転倒それもありか
全力疾走で
君を愛した
全力疾走で
夢を追ってる
泣き通したあの日の「サヨナラ」
スタートの合図だったんだ
紙っきれに違う重さが
大きな看板に君の姿が
叶った時に
偶然出会おう
同じ質問をしよう
「君の夢は何だっけ?」
「あたしの夢は何だっけ?」
どんなに静けさが
うるさくても
二人の答えが
ここにあるんだ
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取り敢えず
両耳のピアスをはずすよ
だって証拠は
残さない主義だから
吸い殻は
同じ銘柄で合わせるよ
せめてイイ女で
綺麗に終わらせて
明け渡すのは
目に見えるものだけさ
鮮やかに秘めたものは
明かした瞬間
滑稽な色に変わるのさ
それだけが
あたしだから
抉じ開けて
壊さないでね
責任取る気など
ないのだから
踏み込んで
乱さないでね
余所行きの
関係を装うよ
君が言うところの
くだらないプライドさ
好きだなんて
死んでも言わないよ
だって証拠は
残さない主義だから
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遠回しに
嫌いじゃない
瞹眛くらいが
ちょうどいい
どうせ
この夜は明けるから
どうせ
この世は終わるから
辛うじて見えてた
今日のドラマは
いいところで
また来週
目蓋を閉じて
電源を落とした
予告めいた
約束を頂戴
12章じゃ
短過ぎ
誕生日には
拡張版を頂戴
詰まった予定を
先送り
遠回しに
嫌いじゃない
負けず嫌いで
ちょうどいい
どうせ
この夜は明けるから
どうせ
この世は終わるから
どうせ
ドラマも終わるから
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ティースプーン
一杯くらいの
ささやかな
ささやかな
幸福を
昨日乗ったタクシーの
優しい運転手さん
今日からかわれた冗談に
秘められた思いやり
いつか
君がぽつりと零した
あの言葉
けたたましく
スキ
キライ
正直
疲れちゃってさ
およそ
5ccの
ささやかな
幸福
よっぽど
目頭に染みたのさ
そろそろ
そんな
季節だし
そんな
理由で
許してね
ティースプーン
一杯くらいの
ささやかな
ささやかな
幸福を