詩人:aria | [投票][編集] |
うそつき
うそつき
言ってのけた
「永遠」とか
うそつき
うそつき
受け止めてた
「全て」とか
言わんこっちゃない
出来すぎた笑顔で
こっちを睨む
カバーガールの
ふわふわパーマ
キミの理屈は
そんくらい軽くて
雨が降ったら
しぼんじゃう
うそつき
うそつき
男はカッコつけたがり
うそつき
うそつき
男は意外と騙されたがり
言わんこっちゃない
可愛くないと
言ったのに
面白みないと
言ったのに
平気ぶって
励ました
大丈夫って
抱きしめた
うそつき
うそつき
「もっといい人いるから」なんて
うそつき
うそつき
「もう愛すことできない」なんて
それって結局
愛だった
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いつか君が
見たいと言った水平線
想像したより
自分が小さくて
胸を撫で下ろす
駆け回って
しがみついてた現実は
意外とコンパクトで
一瞬で呑み込まれ
溺れる隙もなく
あるべき場所に還ってた
大袈裟な切なさ
冷たい海に浸りたい衝動
やたら寂しがるのは
誰
セプテンバー・サンセット
哀しいことは一つだけ
愛した人が
私を愛さなかっただけ
それだけの
ちっぽけな寂しさ
空に投げたら
周りを染め上げてゆく
優しい橙色
今日だけは
少し思い出して
少し唄って
夜を迎えるまでの
数分間
こっそりと泣いた
セプテンバー・サンセット
哀しいことは一つだけ
君が私を忘れて
私が君を忘れられないだけ
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ピカピカの光線銃
最新のレーダー
巨大化するロボット
オプションは一人前
守るべきものもないくせに
平穏を求める傍ら
自分を呼ぶ悲鳴を望んでた
戦わないでヒーロー
絵に描いたような
悪なんてそうそういない
戦わないでヒーロー
真の平和は
開いた拳の中にある
大義の名の下に成敗
鳴り止まない賞賛
正しさという優越感
愛されることが得意
愛すべき人もいないくせに
踏みつぶされた花を
弱さのせいだと責めたてた
戦わないでヒーロー
憎むべき悪党は
胸の内側で作ってた
戦わないでヒーロー
自分の中の敵だって
いずれ守っていけるから
シーツのマント翻して
土管の上に参上して
華麗な着地をきめて
アスファルトをかけてった
あの子が泣いてるからって
一人で寂しがってるって
君にしか聞こえない声
飛べないヒーローを待つ声
二の足を踏み続けた
譲れない夢があったくせに
本当は孤独だった
君が隣で笑ってたのに
戦わないでヒーロー
世の中は
憎み合いが多すぎた
戦わないでヒーロー
「正義」の仮面を
海に放って
戦わないヒーロー
必殺技は
いつだって
向き合って
受け止めて
抱きしめて
愛おしくおもうこと
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かなぐり捨てて
見上げたポジティブ
そう本当は
思っているほど強くない
1ミリにも満たない
笑顔の層
壊れたものは
戻らない
取り繕う
気力も無い
無責任に
踏み込まないで
解せないなら
見逃して
あたしじゃないなら
触れないで
かなぐり捨てた
望まれたポジティブ
本当は
察しの通り弱いまま
1秒も持たない
「大丈夫」
見つけた光が
錯覚ならば
笑い飛ばせる
自信もない
優しさだなんて
呼ばないで
受け付けないなら
嫌悪して
あたしじゃないなら
抱かないで
8月の闇に
引きずり込まれ
必死に伸ばす
指の先
哀しそうな顔をして
残酷に見下げる
君がいる
プラスチックを模した
ちゃちな感傷
願うことは一つ
君を憎みませんように
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少し一人になりたくて
辿り着いた帰り道
何も怖れずに泣きたくて
飲み込む闇に甘えてみせた
無反応な日常は
両肩抱えるほど冷たくて
探り探り描く展望に
正直ちょっと疲れてた
新しい靴が
ふいに色を取り戻すから
反射的に見上げる
とんでもなく優しい
藍色の空に丸い月
それって反則じゃないって
だってあんた尖ってばかりじゃないって
悪態ついたって
止めたくない涙をずっと照らすから
止められない涙をずっと照らすから
優しい歌とか呟いて
けなげな花とか愛でてみた
哀しい歌を抱きしめて
傷ついた鳥とか連れ帰ってみたんだ
あたしらしくないと笑って
きっと君も同じ理由で笑っただろう
少し一人になりたかった夜
お節介な傍観者
月が邪魔する夜
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自分の声がひどく嫌いで
潰すために歌ったの
ロックンロール
きらきらし過ぎた君の目は
やっぱりきらきらした世界を探してて
吐き捨てた紫煙で
霞んだあたしに
気付くはずなんかなかった
眠りにつく前に
優しく抱いて掻き鳴らす
あたしは君のギターになりたかった
哀しい歌だけは得意だから
一人の夜はそっと
口ずさんで
がらくたのようなメロディーで
自分を表現できたなら
笑って通り過ぎる日常が
横目で確認してくれる気がした
振り切るために歌ったの
ロックンロール
不純な動機を
精一杯
綺麗な言葉に置き換える
共に長い道を歩いて
同じものを見てくたびれる
あたしは君のギターになりたかった
優しい歌も歌えるよう
全てを
愛してみせるから
片時も手放すことなく
いつも一緒に歌ってる
あたしは君のギターになりたかった
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地下鉄乗り継いで行くよ
金曜日のにぎやかな電車
途切れては繋がる電波
もどかしいメールの往復
どんなに
愛想笑いしたって
本音が消えるわけではないし
どんなに
強がってみたって
本物の強さは得られない
遣りきれないよね週末
だからまばたきのような
幸せにダイブ
近づいていくよ週末
きっと登りきったところに
君がいる
どんなに
仕事をこなしても
会いたいものは会いたいし
どんなに
電話で笑っても
触れられなければ意味がない
今行くよ愛しい週末
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蹴りあげて
ひっくり返った理屈を
銀の皿に盛って
模倣するなんて
皮肉でしょ
撫で付けた輪郭
後付けのコンセプト
あたしの右手は
もう死んでしまって
それは指から伝わり
キャンパスを汚してた
極彩色をありったけ
殴り付けてよDarling
サイケデリックに目覚める朝
無彩色はこれっきり
刺し違えてよDying
塗り潰されて迎える夜
器官を埋める湿度に
赤い花を一つ咲かせて
貴方にこの意図が
伝わるのならば
私には狂う覚悟すら
あるのです
私にはもう覚悟しか
ないのです
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女らしくなれって
器用な君の指先が
蝶々むすびを施した
右に同じって
不器用なあたしの口がとぼけて
すぐにうつむいた
この肌が小麦色に焦げるころ
君は届きそうもない
空の下
言いたくて言えない
言葉の裏側
一瞥もくれず
笑って手を振った
かたむすび
閉じ込めたものは
目も当てられない
弱い自分
あっさり
ほどけてしまって
つなぎ止められなくて
かたく結ばれていた
両端をもてあそんで
もう笑うしかないの
この胸が後悔にくれるころ
君は遠い遠い
空の下
言いたくて言いたくない
気持ちの真ん中
受けとめて
滲んだ背中を見送った
かたむすび
ほどいてくれた君は
蝶の羽根だけ
置いていった
かたむすび
ほどけないものは
君とあたしで
ありたかった
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猫ちゃん被って
可愛い子ぶって
甘えた声音で
世辞を吐く
東京の夜は
ご覧あそばせ
掌へ
汚い言葉で
悪い子ぶって
隠した本音で
正気を気取る
東京の夜は
ご免あそばせ
皿の上
厳かに輝く
宝石なんかに
死んでも
例えてくれるな
磨かれるなんて
建前じゃ
あたしがどんどん
削れてく
きらきら輝け
偽物色したガラス玉
純度の低さに同属嫌悪
だから強くなれるのさ
だから強くなれるのさ
救いあげられて窒息
金魚鉢を模した罠
ショッキングピンクの心臓
繋ぐ音はリーズナブル
「愛してる」
飾りすぎた唇
触れても
叫んでくれるな
「お前だけ」なんて
社交辞令
あたしはどんどん
乱れてく
きらきら蔑め
人工色した繁華街
アルコールの香を掠めて
憎むべきは魅せる錯覚
憎むべきは魅せる錯覚
猫ちゃん被って
可愛い子ぶって
甘えた声音で
世辞を吐く
東京の夜は
ご免被る
黒い虚無