詩人:aria | [投票][編集] |
戦わねば
ならぬのですか
腰がとても
重いのです
向き合わねば
ならぬのですか
逃げてた訳では
ないけれど
最高気温で
かじかむ指も
直射日光
眩んだ両眼も
言わせれば
言い訳で
休戦と
言う名の
先延ばし
何もかも
お見通し
冷たくっても
動くのさ
眩しくっても
見えるのさ
戦わねば
なりませんね
武器など不要な
敵ならば
向き合わねば
なりませんね
長い首して
明日があたしを視てるのです
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アリスは夢の中
相変わらずウサギ追っ掛けてる
赤頭巾は
腹の中
めげずに狩人待ってる
あたしはと云えば
相変わらず
夢の中
現実味ない目標追っ掛けて
めげずに
腹の中
君からの電話を待ってる
お伽話にもなれない
こんな話は
後世に伝えちゃいけないよ
ここだけの話
秘密は
どんな装飾品より
女を美しく魅せるのさ
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笑っちゃうのよ
少年
いや
馬鹿にしてる訳ではなくてさ
笑っちゃうのよ
少年
あまりにあの人に似てるから
向かうところ
敵ばかり
いいんじゃない
少年誌の主人公気取り
倒していっちゃえば
笑っちゃうのよ
少年
どうかそのまま歪まないでね
笑っちゃうのよ
少年
あたしを口説くなら10年早いのよ
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通りすがり
誰かが口ずさむ歌
リアルタイム過ぎて
振り返れば雑踏
埋もれ消える
宿命だろうと
いつまでも口ずさむ
誰かにそんな願いを託す
ヒールの音で
誤魔化しながら
リアルタイム過ぎる歌
心細く口ずさむ
何となく
明日は青い空が
見える気がした
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きっと
愛してるとか
意味を吐き違えても
あたしたちには
そんな言葉が
必要だったんだと思う
改札の前
交差点
プラットホーム
約束をしましょう
愛しているから
また会える
嘘はいけない
自分が傷ついてしまうから
きっと
愛してるとか
意味を吐き違えたら
戯言なんだと知っていて
あたしたちは
それでも
そんな言葉が
必要だったんだ
幾ら吐き違えても
愛していたから
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予想を裏切らない
雨だったんだろう
あたしには突然だっただけで
性懲りもなく
君の香がするから
少し思い出しただけ
値の張ったコートとか
染めたての髪とか
君を忘れたくて
虚勢に任せたものが
総て濡れてしまって
霞んでもキラキラ光る
イルミネーションに
「お綺麗ですね」と
観念したんだ
予想を裏切らない
別れだったんだろう
あたしには突然だっただけで
君の香がする限り
少し思い出すだけ
今日は
性懲りもなく
雨
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日常は東京の地下鉄
早朝より深夜まで
容赦無い混雑
複雑に入り組んで
休みなく走る
煙草一本くらい
ゆっくり吸わせろや
そんな交差点
赤に往生した
15のあたしが
恨めしそうに
あたしを見てた
あの頃
賢い大人は
常識めいた線上に
寸分の乱れも無く並び
「ショウライノタメニ」
口を揃えてそう言ってた
幼過ぎたあたし
素直にそれを
聞き入れて
恨めしそうなあたしに
大人な会釈で威嚇
見くびんな
こんなでもあたしは
幸せさ
そう
15のあたしにとっては
今も立派な将来で
笑ってやんなきゃ
報われない
繋げてやんなきゃ
進めない
あの頃
賢い大人は
常識めいた戦場に
寸分の乱れも無く並び
「ショウライノタメニ」
口を揃えてそう言ってた
マセガキくらいには
成長したあたし
煙草の紫煙で
むせかえしてやった
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オーデトワレ
紅い禁断の実
一夜の夢へ連れてって
甘美を肴にするからさ
ジャック・ダニエル
あたしの恋人
琥珀色に微睡んで
曇り硝子を掻き毟る
マルボロ・ライト
あたしの相棒
成すが儘にくゆられて
残像と行く末漂って
スノーホワイト
王子様はキャンセル待ち
白馬に乗せて連れてって
城とも似つかぬ繁華街
オーデトワレ
紅い禁断の実
一夜の夢へ連れてって
後悔は後でするからさ
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舞台袖で
泣いてたあの子は
もういない
楽しくて
楽しくて
故に
怖くて
怖くて
喪失を想像して
予防線を張り巡らせた
マリオネット
茶番はもういいよ
舞台袖で
怯えるあの子は
未だいるけれど
舞台袖で
泣いてたあの子は
もういない
楽しくて
楽しくて
今は裏にも先にも
何もない
今はそんくらいで
勘弁してやるよ