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ariaの部屋


[51] かたむすび
詩人:aria [投票][編集]


女らしくなれって
器用な君の指先が
蝶々むすびを施した

右に同じって
不器用なあたしの口がとぼけて
すぐにうつむいた

この肌が小麦色に焦げるころ
君は届きそうもない
空の下

言いたくて言えない
言葉の裏側
一瞥もくれず
笑って手を振った

かたむすび
閉じ込めたものは
目も当てられない
弱い自分



あっさり
ほどけてしまって

つなぎ止められなくて

かたく結ばれていた
両端をもてあそんで
もう笑うしかないの



この胸が後悔にくれるころ
君は遠い遠い
空の下

言いたくて言いたくない
気持ちの真ん中
受けとめて
滲んだ背中を見送った

かたむすび
ほどいてくれた君は
蝶の羽根だけ
置いていった

かたむすび
ほどけないものは
君とあたしで
ありたかった



2010/07/20 (Tue)

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