詩人:栢徠 | [投票][編集] |
君が、みんなが居なくなってもうすぐ10年になるよ
なんだかあっという間だった
あの日、私はなんて無力だったんだろう
みんな私が行くのを待っていてくれたのに・・・・
君は最後まで待っていてくれたのに・・・・
私は・・・・
また、あの日が来る
ごめんね、毎年泣いてばかりで
でも、きっと今年も泣いてしまうんだ
今年は朝からみんなに会いに行くよ
みんなは、まだ私を仲間だと言ってくれますか?
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幼い少年は幼い少女に言う
少女は少年の言葉に首を傾げる
大きな木の下での小さな二人の会話
少女は夢を見る
木の下で笑っているのが自分なのかもわからずに
今日も会話は聞こえない・・・・
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波間に相合い傘を描いてみる
ハートの乗った傘の下に二人の名前を書いてみる
名前を書くと同時に、波が全てを覆い隠した
少し崩れた傘と名前
波がくるたび消えてゆく
私はただそれを見つめた
これが消えたら私も行こう
ここはさみし過ぎるから
そして私は歩き出す
後ろに君のまぼろしを
前には見えない相合い傘
一歩足を進めるごとに
離れていくものがある
一歩足を進めるごとに
近付いているものがある
今、君に逢うために
全てを捨てて歩いてく
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初めて君と出会った時、君は満開のヒマワリに囲まれて笑っていた
初めて君と話した時、偶然の再会に君は小さな子供のようにはしゃいでいた
初めて君の病気を知った時、君はどこか諦めたように笑った
初めて君と手を繋いだ時、君は「死にたくない」と泣いていた
初めて君が病室に居なかった時、君は二人が初めて出会ったヒマワリ畑にいた
君はヒマワリに囲まれて初めて出会った時の様に笑って眠っていた
初めて君と交わしたキスは、冷たい死の味がした・・・・
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あなたは幸せそうだった
可愛い女の子と楽しそうに笑いながら
きっと彼女さんなんだね
私の視線に気付いたのかあなたは顔をこちらに向けた
それと同時に車道を車が走っていった
きっと車が走り去った後、あなたに見えるのは私の後ろ姿
でも直ぐに彼女との会話を再開するんでしょ?
そんな想像を巡らすしか出来ない車道のむこう側
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夢であなたと会いました
あの頃と同じ笑顔を私にむけてくれました
あの頃と同じ様に手をさしのべてくれました
その時私は幸せでした
でも、その手をとろうとした瞬間目が覚めました
伸ばした手は何も掴む事は出来なくて
ただ、一人ベットの上で泣きました
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大切なものは失ってから気付く
どうやらそれは本当らしい
真っ赤に染まる君を見下ろし、思う
でも、私は失うと同時に手に入れた
永遠に私だけのあなたを
だから踊ろう?
いつまでも続く二人のワルツを
それは赤く染まる二人の舞台
それは終わる事ない血に濡れた狂気の夢―――
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死神は泣いていた
ごめんなさい、ごめんなさい
死神は謝りながら泣いていた
あなたの命を奪ってしまうから
あなたの大切な人を悲しませてしまうから
死神は泣き、少女は微笑んだ
なんであなたが泣くの?
私が死ねば家族は助かるわ
私の治療代をもう払わなくてすむもの
少女は笑いながら目を閉じた
少女は思った
あなたが泣いてくれたから私は笑いながら死ねるんだ
優しい死神さんありがとう
そう思いながら少女は死んだ
いつまでも
死神はただ少女のために泣いていた
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優しく笑うあなたが大好き
赤くなりながら手を差し出してくれるあなたが大好き
真面目な表情をするあなたが大好き
あなたが大好き
でも、本当に見てるのは私じゃない
私のむこうに誰かを見てる
それが誰なのか私は知らない
それでも良い
私はあなたが大好きだから