詩人:栢徠 | [投票][編集] |
伝えられなかった
「ありがとう」
伝えられなかった
「元気でね」
伝えられなかった
「さようなら」
私が何も伝えられないまま君の乗った電車は走り出した
少しずつ、でも確実に速度をあげて離れていく電車に小さく呟いた
一番伝えたくて伝えられなかった言葉
「好きだよ・・・・」
もう、言葉は届かない・・・・
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もし、たとえば
自分が後半年しか生きられないとしたら?
もし、たとえば
自分が事故にあう事を事前に知ったら?
もし、たとえば
24時間後に地球が消滅するとしたら?
そんなクラスメイトの会話を冷めた気分で聞き流す
所詮それは
『もし』の話で、『たとえば』の話だ
そんな仮定の話をしたってどうにもならない
なぜなら、そんな事は起きないから
ある日の、冷めた私の感想
それもまた
『もし、たとえば』の話・・・・
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あの時私が手を離さなければ、私があなたを失う事はなかったのだろうか
あの時私が手を離さなければ、私もあなたと一緒に死ねたのだろうか
あの時私が手を離さなければ
私達は・・・・
今でも・・・・
手を繋いだままだったのだろうか
もし、神が存在するのなら
ひとつだけ教えて下さい
なぜ、あの時、私達の手を離したのですか?
ううん・・・・
なぜ、私は手を離してしまったのですか?
もう一度、私の手にあなたの温もりが欲しい・・・・・
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距離を近づけるのが怖かった
想いを打ち明けて、拒否されて距離が離れてしまうのではないのかと
近づこうとしたのに逆に距離を広げてしまうのではないのかと
そんな事になるのなら
今のままの距離でいい
距離を近づけるのも離れるのも怖くて、『幼馴染み』という微妙な位置関係は変わらない
否、変えられない
いつか、僕はこの距離を変えられるだろうか
『幼馴染み』という不安定で微妙な位置関係を
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あなたは『楽園』を信じますか?
あなたは今の『日常』が『楽園』だと言われたらどうしますか?
その日常が『創られた楽園』ならあなたはどうしますか?
その時、『あなたはそこに居ますか?』
楽園なんて信じない
でも、この日常が楽園だというのなら壊したくない・・・・
たとえ、創られた楽園だとしても
でもその時
俺達は
どこに居る?
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久しぶりに見た君は
身長が高くなっていた
久しぶりに見た君は
声が低くなっていた
そんな君を見て
何も進歩のない自分が馬鹿みたいだった
でも・・・・
久しぶりに見た君は
優しく周りに笑いかけていた
久しぶりに見た君は
あの頃と同じ様に友達とバカをしてた
久しぶりに見た君は
あの頃と同じ様に私の名字にさん付けして呼んでくれた
そんなふとした仕草が
あの頃と変わっていなくって
別に特別な感情なんて無いんだけど、懐かしくて、微笑ましい
そんな小さな再会をしたある日
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わかってた
私じゃ、君の一番にはなれない事
君にとっての一番は
いつも君の前を行くあの人なんだって
わかってるし、理解してる
でもね・・・諦められないの
君の一番はあの人で
あの人の一番が君だって知ってしまった今でも
諦めが悪いよね・・・
自分でもわかってる
でも・・・
奇跡が起きるんじゃないかって
私の思い違いじゃないかって
そんなくだらない事を考えてしまう
イチバンになれない
愚かな小娘の
愚かな戯言
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なんだか急に泣きたくなった
隣に君が居ないから?
空の星が見えないから?
私が、一人だから?
夜の闇が怖くて、親の所へ泣きながら向かった事もある
一人、震えながらぬいぐるみを抱き締めていた事もある
大きくなって別に怖くなんてないのに、急に泣きたくなったんだ
今から、君の所へ行っても良いですか?
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それは大切な人との時間
それは目の前の食べきれないケーキ
それは仲間と笑い合う時間
でも本当に幸せな時は
自分が幸せな事にさえ気付けない
どこか退屈な日常