波間に相合い傘を描いてみるハートの乗った傘の下に二人の名前を書いてみる名前を書くと同時に、波が全てを覆い隠した少し崩れた傘と名前波がくるたび消えてゆく私はただそれを見つめたこれが消えたら私も行こうここはさみし過ぎるからそして私は歩き出す後ろに君のまぼろしを前には見えない相合い傘一歩足を進めるごとに離れていくものがある一歩足を進めるごとに近付いているものがある今、君に逢うために全てを捨てて歩いてく
[前頁] [栢徠の部屋] [次頁]