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蜜稀の部屋


[20] 夜が明ける時
詩人:蜜稀 [投票][編集]

  今日も雨
  昨日も雨
  何日前に降り出したか なんて 分からない
  雨は冷たすぎるまま 心にしみこんで来る
  私には その雨が大きすぎて まっすぐ見れない

  私は 教室の中に ただ一人
  放課後の教室 雨が降る

  誰かを待つように
  じっと座る私の服は 罪に濡れ
  乾くことのない 私の罪は
  消えることのない 傷となり
  絶えることのない痛みとなる

  乾け、と 消えろ、と願うたびに
  私の傷は深くなる
  あなたに戻ってきて、と願うたびに
  私の罪は重くなる
  ココから逃げ出そうと もがくたびに
  私はここから抜け出せなくなる

  ねぇ もう許してよ
  泣きながらも 宙を見る

  疲れて 寝静まった頃
  震える私に誰かが服をかける  
 
   夜が明けて 私が目を覚ます頃には
   小鳥がさえずり 雨がやんでいる



2003/11/13 (Thu)

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