詩人:微笑人 | [投票][編集] |
眠る前に 2錠
それよりも
夜中の 砂嵐ながめて
それよりも
握り締める 通信機
それよりも
好きだと言ってくれる 君
それよりも
むちゃくちゃな 愛撫
それよりも
どうしようもない 孤独
だめだ
逃れられない
こんな意味のないモノたちでは
それよりは
あんたのぬくもりが…
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ほら 夜が明ける
今夜も
闇に たった一人で
君に抱かれて
浴びた朝日を懐かしむ
それでも
また たった一人で
絶えきれず
朝日を見る前に
目をつむろう
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恋愛映画
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それらに心動かされないのは
あなたへの気持ちに
ゆるぎがあるからなのでしょうか
やはり私は
愛せないものなのでしょうか
愛などいらない
寂しいのは
誰も愛せない
私なのです
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しゃあないなぁ
目を細めて
ゴメンちゃうやろ
アリガトウやろ
もっと目を細めて
また
しゃないなぁ
それだけ
それだけが…
ブカブカの制服で
窓際の席で
社会科のノート
くすぐったい筆談
雪の降る放課後
美術室からの風景
野球部の掛け声
心急ぎ走る廊下
さよならした階段下
にじんだ後ろ姿
渡された第二ボタン
薄く色付いた桜の幹
そして
また繰り返す
消えてくれない番号
懐かしい声
若葉マークの運転席
期待外れの朝帰り
しゃあないなぁ
目を細めて
ゴメンちゃうやろ
アリガトウやろ
もっと目を細めて
また
しゃないなぁ
それだけ
それだけで
また…
また…
―AGAIN―
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異物が分け入る 感覚
生暖かい唇の 感覚
麻痺したカラダには
生々しすぎるぐらいが
ちょうどいい
生まれる嫌悪感に
痛みを感じることが
生きてる 感覚
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私の部屋にはワタシが住んでいます。
彼女は外へは出ません。
「人間なんて死ぬまで一人。うっとうしい人間関係なんてまっぴらよ。」
と彼女は言います。
彼女は強い女です。
彼女の言うことはいつだってかっこよくて、私はいつも彼女のいいなりです。
彼女はとても警戒心が強いみたいです。
「そんな奴は信用しちゃだめよ。あなたみたいな子を本気で好きになるわけないでしょう。」
彼女の言葉には説得力があります。
一日の終わりには、今日あった出来事を彼女に報告します。
私の考え方は幼稚なようで、彼女にいつも叱られます。
けれども私は知っているのです。
彼女は誰よりも繊細で泣き虫で臆病ものなのです。
人が嫌いなのではありません。
人が大好きなのです。
彼女はときどき私を抱き締めます。
「ワタシが嫌いなのでしょう?嫌いならワタシなんかの話を聞いてくれなくていいのよ。ワタシは一人が好きなんだから。」
私は彼女が心配です。
強くて傲慢で自信家の彼女。
私はそんな彼女の唯一の友達なのです。
いつか彼女に打ち明けたいと思っています。
「あなたが大好き。」と。
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痛いぐらいに
こすった
血がにじんで
ヒリヒリした
泣いて
泣いて
泣いた
消えないものが
あることを知った
応急処置に
奮闘した
あれから五年
血は乾かない