夜寝る前


耳元で囁く声


「明日も仕事借金返さなきゃ休みくれいやみ言われたいつか謝らなきゃ金ほしい休みほしいあいつ嫌いだこれからどうする彼女ほしい寂しいガソリン詰めなきゃ恋愛したい親うるさい神はいるのかあいつむかつく借金返さなきゃ金ほしい誰か助けて恋愛したいアイドル犯してやるたばこ買わなきゃ死にたい恋愛したい休みほしい寂しい痩せたいやり直したい景気悪い仏はいるのかみんな幸せなのかやり直したい金ほしい寂しい明日仕事借金寂しい神仏幸せ自殺邪魔明日夢血むかつく犯す成績恋愛政治うるさい・・」

寝かせろよ・・

今日は

酒を飲んだ

普段は

お世辞にも

良いとは言えない

性格だと思うが

この時ばかりは

自分に近い

自分に戻る

瞬間だ

なにもかも忘れて

自分の存在を

主張する

瞬間だ



二日酔いなど

明日の仕事など

考える暇もない



ゆういつ

あとさき考えず

行動できる

瞬間だ

久々に 空を見上げた 雲が流れ 鳥達が飛んでいた
あぁいつかあの鳥のように・・

久々に 夜空を見上げた月が欠け 星達が瞬いていた
あぁいつかあの星のように・・


こんなこと思うために産まれてきたのか
どこで間違えた

久々に 空を見上げた そこには鳥達も星達もなかった。
あぁいつか・・いつか・・


さよなら・・

「おかえり。今日は早かったのねぇ」

＿久しぶりに母の顔を見た気がした。

「仕事忙しくなかったの？」

＿この頃友達と遊び続け、夜遅くなってたからかもしれない。

「今日は父さん仕事で遅くなるらしいから。」

＿・・・。

『母さん・・疲れてる？』

「一体どうしたの？珍しい。」

＿・・・。

「もうすぐ、出来るから、部屋で待ってなさい」


そう言って人参を切る母の顔はしわだらけだった。

部屋で天井を見ながら思い出す。

なんの心配もなく生活できた学生時代・・高校を卒業してからは転職を繰り返し家出。やっと落ち着いた今の仕事は安月給。



母さんは幸せなのだろうか・・。




後悔と涙が溢れ、頬を伝う。




「出来たわよ〜」
＿母さん。あなたの目には、僕はまだ可愛い息子に写ってますか？

「○○君！あなたまた○○君をいじめたのね！謝りなさい！」

「貴方のことが好きでした つき合ってください」

「あなたはやれば出来る子なのよ 母さん父さんのためにも頑張ってちょうだい」

「あんたなんか大っ嫌い！！」

「アナタマタキテクレタノ ワタシウレシイヨ」

「○○さん あなたはただの風邪みたいですね 薬出しておきます」

「貴方・・好きよ・・」

「あなた！また飲んで来たのね！家が苦しいのによく行けるもんだわ！」

「貴方にはもっと 気を引き締めて仕事をしてもらわないと困ります」



あなた・・か・・

「いらっしゃいませ〜」

あっあの娘だ！やべっ目が合っちゃったよ。か〜〜(赤面)
くそ〜予定変更だ。マンガは明日にして、普通に買物に来たっぽくしよう。

う〜んと、まず本だな。エロ本は当然却下！ギャンブル誌も同罪！ゲーム誌もギリギリアウト！とすると・・『テレビジョン』が無難なところか・・。

次は飲み物か。ビールはオヤジ臭いし、炭酸は子供っぽいか・・。やはりお茶、いや！大人はコーヒーか！う〜んどっちも捨て難い・・よし！今日のご注文はさあドッチ！？

やはり大人はコーヒーだよなぁ、うんうん。

次はパンだな。これは知ってるぜぃ。さりげなく『バターシュガートー』おっと間違った『Butter Sugar Toast』だった。を買うのがいいんだよな。

よし、これぐらいでいいだろ。ではレジに・・
「あっ！」
「えっ？」
あ、あの娘じゃん。思わず声が出ちゃったけど、明らかに聞き返してきたよな、今。こっち見てるし。
う〜ん、あ〜どうしよ。

「あっ・・おでんね」

おでん？？何言っちゃってんの俺？ここにきておでんはね〜べよ！だっせ〜！
おいおいどうする！アイ○ル！って場合じゃねー！

「あっやっぱ、おでん取り消しね。たばこだったよ。」

ナイスアドリブ！！ナイス俺！！

―後1分はごく普通の客と従業員のやりとり。

「ありがとうございました〜」


あ〜緊張した！ドキドキだぜぃ。でもあの娘と話せたし、嬉しいなぁ〜！！
今度からマンガは別の所で買うことにしよう。



「あっ、コーヒーとたばこは兄貴にやろうっと。」

不安な事・・

昨日の事・・

明日の事・・

仕事の事・・

お金の事・・

貴方との事・・

自分の事・・

多くの悪魔にとり憑かれ
それでもなお
僕は生きていかなければならない


今日もまた・・

「悪魔さん、こんにちは」