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望月敏彰の部屋


[3] 幸せな人
詩人:望月敏彰 [投票][編集]

あるところに、とても幸せな人がいました。
その人は、よくモノ忘れをします。

例えば、嫌なこと、人にしてあげたこと、人を助けたこと、
人にプレゼントをしたこと、自分がした努力などを、すぐ忘れてしまいます。

でも、忘れないこともあります。
例えば、楽しいこと、人に感謝されたこと、人に助けられたこと、
人からプレゼントをもらったこと、人が時間を割いてくれたことなどは、ずっと覚えています。


その人も、出来れば忘れないでいたいものが1つあります。
それは、出逢った人の“名前”です。

名前を覚えると、人を覚えやすいです。
名前を覚えてないと、偶然出逢ったときに呼びにくいです。
でも、その人は、出逢った人をきちんと覚えています。
なぜか。
それは、出逢った人の“笑顔”で覚えているからです。
その人は、出逢った人の笑顔を、頭の中に映像として残しているのです。


つまり、その人は、出逢った人たちを笑顔にしないと覚えられないのです。



その人に会う機会がありました。
「私は最近、運が悪いんですよね。あなたはどうですか?」と聞くと、
「私は幸せです」と言いました。
私が「何かあったのですか?」と聞くと、

「いいえ、何もありません。何も起こっていないから幸せなのです」

と言った。

2014/11/15 (Sat)

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