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beetの部屋


[124] 夜10時過ぎの通勤電車
詩人:beet [投票][編集]

誰一人 気付かれることなく
独りむせび泣く
夜10時過ぎの通勤電車


2日間待ち続けた
愛しき人からの
メールの返事は
ついになく

彼女はあいつの腕の中

考えたくもない現実だけが自分の前に覆い掛かり

狂おしいほどの孤独とやり切れなさでむせび泣く

分かっていたことなのに 何故こんなに苦しいの?

分かっていたことなのに
このやり場所のない苛立ちは何?

人って信じちゃいけないの?

目先の男がそんなに大事なの?

ついこの間まで普通に話してた俺を無視するの?


この歳になって
人目をはばからず
涙がこぼれて止まらない

表情が作れず 何の為に生きるのか
何の為に恋愛などするのか


独りむせび泣きながら 虚しく家とひた走る

夜10時過ぎの通勤電車


振り切るのさ もう
この俺は

今更元に戻れないから

2009/02/25 (Wed)

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