詩人:みさ | [投票][編集] |
ほら、そう気取らなくても
世界にあふれる音が重なった時
ハーモニーは生まれるんだ
楽器がなくても
美しい声がなくても
音楽する気さえなくても
君がただそこにいるという音がすでに
音楽の始まりなんだ
ほら、その証拠に
私たちはみな
生まれた瞬間から死ぬまで
鼓動と言う名のビートを刻んでいるのだから
星空に星座を描くように
あふれる音からメロディーを紡ぎたい
星座に物語を乗せるように
メロディーに想いを託したい
ちょっとだけでいいから、耳をすましてみよう
君の耳には今
どんなハーモニーがきこえる?
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伝えたい事はつきないけど
言葉にするとどこかずれて
補うためにそれを重ねると
原型とは違った誤解があふれてく
僕の知っている君は
君の知っている君とずれていて
君の知っている僕は
僕の知らない僕
どうにも埋まらない距離を埋めようと
重ねる説明がそらぞらしく回る
言葉の設計図にはない解釈のゆがみが
僕らの間にはばかって
神経質で繊細な心の扉の
立て付けを悪くして行く
距離を詰めるには言葉が必要なんだけど
誤解を恐れて口をつぐむ
どこまでいっても重なりはしない
僕らの間のもどかしさは増すばかり
君を知る事のできない僕は
不安で孤独でたまらないんだ
君の知らない君を愛し
僕の知らない僕は愛されて
それ以下ではけしてないけど
それ以上にもなれなくて
どんな君も好きになる自信はあるけど
君の知る君は見る事もかなわなくて
どれだけ時を場所を共有しても
重ならない僕らの間に共感は存在しなくて
そんな埋まらない隙間が
どうしようもなく僕を孤独にさせるけど
沈黙を埋める重ねた唇の味に
考える前にどうにか君を感じたい
君の温もりに不安は少し解消されるから
君にも少し安心を上げられるといいな
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いいてんきねと
曇り空に微笑む君
どこがだよと
つっこみを入れる俺
好きな色はと聞かれ
グレーと答える君
変わった奴と
笑った俺
光と陰
白と黒
対立する物が
混ざり合う
平和ってそう言う物じゃない?と
首を傾げてみせる君
天使でもなく
悪魔でもなく
神が人間に
地上を与えた理由
正義と邪悪の矛盾を併せ持つからよと
簡単なことみたいに言ってのける君
正義を掲げ
悪を駆逐する戦いの終わりに
平和を見るなんて
愚かで傲慢よ
完全な闇は不健康すぎるけど
強い光は濃い陰をうむ
すべてを飲み込む真っ黒はいやだけれど
純白は排他的すぎるでしょ?
いいてんきねと
曇り空に微笑む君
どこがだよと
つっこみを入れる俺
好きな色はと聞かれ
グレーと答える君
変わった奴と
笑った俺
変わった奴と
笑いながら
君らしい君の視点に嫉妬する
俺の気持ちを
半端者が私は好きよと
見透かすように笑った君
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涙流すだけの強さがあれば
きっと世界はもっと潤うんだ
唇かみしめて一人うつむく度
弱音のはきかたを忘れて行く
悲しみに気づかないふりして
凝り固まった心は攻撃的にとがる
無感動な笑いでごまかした感情に
比例して世界は色を失ってく
灰色の世界を
僕ら歩いてる
荒れた大地から目を背け
アスファルトで固めた道を
涙流すだけの勇気があれば
きっと世界は輝きを取り戻すのに
泣かないで
大人は子供に懇願する
感情をむき出しにできる
小さくも強い我が子におびえて
子供の世界の色彩に嫉妬し
泣かないでと宥める
花の笑顔を支える潤いの涙を
泣かないでと宥めている
灰色の世界を
僕ら歩いてる
乾いた心に
華やかぶった町並み築き
コンクリートの壁に
塗料色のニジを描き
重ねた年齢とともに
幸せぶるための演技を覚えて
涙流すだけの強さがあれば
きっと世界はもっと潤うのに
強がるために捨てた
素直な感情の代価
灰色の世界を
僕ら
自分で作り歩いてる
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自分が自分であるのかさえ
ここに存在しているのかさえ
不安になって
大きな声で叫んでみたり
他人の評価を求めてみたり
ただ存在を主張してばかりだった
あのころ
自分で自分は見えないから
鏡のぞいてはあべこべにうつり
他人に聞いてはどこかずれている姿
つなぎ合わせてはちぐはぐな自分パズル
必死に組み立てて
ピース集める自分探し
始めたあの日
本当の自分探して旅に出たあの時も
本当は充分わかっていたはず
本当の自分探ししてる自分こそが
本当は自分なんだって当たり前のこと
何万ピース集めたって
そこに現れる絵はいつも
どこまでも曖昧で
本当の自分を探せば探すほど
本物じゃない自分に惑わされ
自分で作った迷路の深みに
迷い込んでいったあの日
盲目的に自分パズル
組み立てていた自分こそが
本当の自分なんだって当たり前
いつのまにか見失っていた
自分探しの旅
どこか矛盾したそんな旅路のはて
見つからない自分でも
いつも自分とともにいる