ホーム > 詩人の部屋 > 未知の部屋 > さもありなんと君が言う

未知の部屋


[263] さもありなんと君が言う
詩人:未知 [投票][編集]

すべては、いつか弾けてなくなると
知っていたならあのときもっと
その瞬間を、生きただろう

弾け飛んだあとで、初めてやっと
自分は生温い泡の中にいたと。解った

井の中の蛙で、箱庭の夜顔で
いかに自分がくだらない生き物か

ちっぽけで、無価値で。その癖高慢な
自意識過剰な子供であるか

なぜか尖って、触れる者みな突っぱねて
永い思春期をこじらせて。
様々な感違いを。しつづけていた

ほら見ろ。とほくそ笑み
「さもありなん」と君が吐き捨て去った

その温もりこそ
そこにしかない囲いだったと
失って今初めて、その尊さに焦がれる

2015/02/24 (Tue)

前頁] [未知の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -