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ゆぅの部屋


[171] 名無しの晩
詩人:ゆぅ [投票][編集]

彼の名前も
輪郭も
覚えていないのに

忘れないのは
抱かれた晩のこと

名は無くとも
顔を忘れようとも
覚えてる‥

優しかった手と
肌の温もり

躰の線も
瞳の色も
忘れてしまった

胸の傷も
唇の熱も
冷めてしまった

彼の感触も
喋り方も
覚えていないのに

忘れないのは
抱かれた時のこと

あの美しい晩は
想い出達に
支えられて浮かぶ
夢の島か
蜃気楼の様だ‥

2004/08/13 (Fri)

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