彼の名前も輪郭も覚えていないのに忘れないのは抱かれた晩のこと名は無くとも顔を忘れようとも覚えてる‥優しかった手と肌の温もり躰の線も瞳の色も忘れてしまった胸の傷も唇の熱も冷めてしまった彼の感触も喋り方も覚えていないのに忘れないのは抱かれた時のことあの美しい晩は想い出達に支えられて浮かぶ夢の島か蜃気楼の様だ‥
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