詩人:色彩 | [投票][編集] |
君は
焦らず
静かに
輝く
揺らめいた
夜の海が
君を吸収する
波が
水面に
君を乱反射させる
僕は
変わりゆく闇を見つめる
君の光が届かない所
その部分を見つめる
ぼんやりと
視力だけを残して
思考は
思考は考える事を止める
時間が
当たり前の様に流れ
僕は誰かの風景の一部になる
君は輝き
四十億年もの孤独を尚も好む
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真夜中
電気を消したユニットバスの中で
シーラカンス以前の魚の事を想像する
深い海の底を泳ぐ
彼等の呼吸器官について想う
彼等のフォルムや皮膚について想う
その目が見つめるモノについて想い
思わず小さな風呂の中に潜る
水中に響く心臓音
電化製品が微かに渦巻く音
想像力が暗闇の海に沈めて
「シーラカンス以前の魚」が泳ぎ出す
そうそれは真夜中
真っ暗闇に降りてきた
孤独な人の音楽
孤独な人達の為の音楽
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彼は不完全な焔を気取るが
唇の腫瘍で呆気なく死ぬ
唇の腫瘍で呆気なく死ぬ
間抜けな死に方だと誰かが言った
ホラ吹き野郎だと誰かが言った
冷ややかに寒いその場所で
彼の妻は泣いたのか
確かに炎は全能では無い
確かに焔は全能では無い
彼は神秘主義の中に身を隠した
この世界はゴミ溜め
人の体は冷たく汚れている
しかし
美しいモノはやはり美しく独立して存在していた
この世界で
全ての汚れや憎しみを受け入れて尚も美しいのだ
深海が未だ未知の領域の様に
渦巻く宇宙の謎に魅力されるかの様に
灰の子
彼は夢を見た
不思議な和音達が浮遊する不思議な夢
何かを生み出す時 人は自分の想像力に驚く
生み出した本人にさえ何故それが美しいのか理解出来ない
彼の体はそれとは対象的に汚れていて醜く人間そのものだったからだ
彼は全てを恐れ神秘主義に身を隠した
間もなく
彼は唇に出来た腫瘍で呆気なく死んだ
ご近所は影口を表にして噂している
妻は「恐らく」泣いている
その頃
彼の精神はもはや肉体を離れ
彼の神秘的主義の様にぼんやりぼんやり
遙か上空の大気と混ざっていた
物質は真実だけを突きつけ全てが曖昧に染まってゆく
物質だけが真実だとゆうのであれば全てが曖昧に染まってゆく
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彼は言った
真実は曖昧だから俺を疑え
彼は言った
俺の言葉や音楽を簡単に聴きとられる訳にはいかない
彼は言った
俺は夢からいくつかの和音を持ち帰った
彼は言った
そこには美しいモノも数多く在ったが俺には掴む事が出来なかった
彼は言った
イカれた詩人や文学者達を恐れ俺は寝床を隠す
彼は言った
俺は想像力の欠落した奴を哀れむ
彼は言った
俺は恐怖を喜びに変える術を知っている
彼は言った
俺はある種類の契約を好みそれのみに支配される
彼は言った
俺は炎 色にすれば火の色彩
彼は言った
俺のテリトリーは深海の生物が支配する
彼は言った
俺は焔 この宇宙は俺に似ている
彼は言った
俺は死に灰になるがその灰は俺だ
彼は言った
お前等はお前等の幸福を追求すればいい
彼は言った
俺の望みは宇宙のほんの一欠片が欲しい
彼は言った
俺は開花する
彼は言った
お前の遥か上空 起こりうる完全で俺は鳴る
彼は言った
誰も俺には成れない
まるで神にでも成ったかの様に哀れに
彼は言った
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君を想う夜は長く
明けることがない
空を見てよ
月が出てる
僕の真上に
君を想う夜は長く
明けることがない
空を見てよ
月が出てる
あの日みたいに
流れ星よ
僕の願い捨てていいから
流れ星よ
僕の願い捨てていいから
沈む雲よ
少し遠い君の街まで
僕は想う
君の頬が薄い赤色
月が照らす
僕の影はいつか掠れる
夜に歌う
僕の声はいつか掠れる
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ヘッドホン
真夜中が落ちてきて呟く
高架下を潜って陸橋に登ってみる
何か見えるかと登ってみたが
思いの外なにもない
あぁ
これが夜か
これが真夜中か
スイスイと泳ぐ車
効率良く整理された道路
ぼんやりの街灯
真夜中が落ちてきて呟く
君は一人で
君は君だけで
愛してたのに
声も顔も少しずつ溶けていた
それでも忘れた事は無かったよ
満たされた事も無かったよ
ヘッドホン
真夜中が落ちてきて呟く
眠れない僕は
まだぼんやりの君を愛してる
まだぼんやりと君を愛してる
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芸術で飯は食えないかい?
こんな御時世
黒猫みたいな酒場は無いか
黒猫みたいな酒場は無いかな
騒がしい町は嫌だけど
静か過ぎるのもどうだろう
僕には解らない
誰の事も解らないよ
色んな人が絵を描いて
色んな人が歌を歌うだけ
一生貧乏かもしれない
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闇に落っこちた真夜中
寒い
風が強い
砂浜に人は居ない
こんな夜に
波を見ていると
君は居るのに
世界でただ一人
取り残された気分になる
闇に落っこちた浜辺
僕等の他には誰も居やしないし
闇だって昼間よりも深いから
歌を歌ってみた
大体こんな歌だ
「星が出てる
けれど僕は
なんにも感じ無い
感動しない
星が出てる
けれど僕は
なんにも感じ無い
感動しない
海藻の残骸
海藻の残骸」
(繰り返し)
もしも僕がサザンかチューブなら
君にラブソングを歌えたかもね
真夜中に取り残された僕等
闇に落ちた空き缶
寒い
風が強い
掬えば流れる砂屑
掬えば流れる砂の屑
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夜中の三時を回って
都合良く起きてる日は
君から電話がくればいいと思う
酔いつぶれた友と誰もいない街を歩きながら
君とのキスを思い出してた
風景に初めから感情は無い
張り付けるのはいつも人間だ
情景を言葉に出来たら
情景を言葉になんて出来てしまったら
幻は幻じゃなくなってしまうよ
街灯が白からオレンジに変わる道
昔からここが大好きだった
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晴れ
空白だらけの午後に
突き刺した目薬は涙の代わりか
囁きに温度を冷やされた冬
澄んだ青に浮かべ太陽
線路の先の故郷まで照らして
沈み込むような美しさ
脳内伝って
出て行って
落ちかける陽のスピードで
もとより空っぽの午後は
更に
空白だらけになった
どこまで行けど納得など出来ぬ
私の人生のように