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色彩の部屋


[13] 灰の子の詩
詩人:色彩 [投票][得票][編集]

彼は言った

真実は曖昧だから俺を疑え

彼は言った

俺の言葉や音楽を簡単に聴きとられる訳にはいかない

彼は言った

俺は夢からいくつかの和音を持ち帰った

彼は言った

そこには美しいモノも数多く在ったが俺には掴む事が出来なかった

彼は言った

イカれた詩人や文学者達を恐れ俺は寝床を隠す

彼は言った

俺は想像力の欠落した奴を哀れむ

彼は言った

俺は恐怖を喜びに変える術を知っている

彼は言った

俺はある種類の契約を好みそれのみに支配される

彼は言った

俺は炎 色にすれば火の色彩

彼は言った

俺のテリトリーは深海の生物が支配する

彼は言った

俺は焔 この宇宙は俺に似ている

彼は言った

俺は死に灰になるがその灰は俺だ

彼は言った

お前等はお前等の幸福を追求すればいい

彼は言った

俺の望みは宇宙のほんの一欠片が欲しい

彼は言った

俺は開花する

彼は言った

お前の遥か上空 起こりうる完全で俺は鳴る

彼は言った






誰も俺には成れない






まるで神にでも成ったかの様に哀れに

彼は言った


2010/11/19 (Fri)

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