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色彩の部屋


[3] 氷湖
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この広々とした静けさは

蓄積された思考の寂しさと知る

花は散って清流に流れ

尚も乱れ落ちる美しい短調達


あぁ


目覚める雲巻きの夜よ

黒衣の男を思い出すんだ

あそこでは月が消え星だけが輝き

氷る湖を見渡して笑うんだろ

細く長いしなる枝の様な手や足

肩まで伸びた夜色の黒髪

きっと感覚すら靡かせて

爪先から降りたつように沈むその様

美しさに見とれるのは若き王か


そう


それは一緒輝く塵

瞬発を捉えぬ

驚きもなく

喜びも無い


現世


この雲竜靡く静けさの中

思考は花と共に流れ

大宇宙のどこか

風は王の短調を乗っけている



2007/08/17 (Fri)

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