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「戦争は良くない」と聞いた。
人を殺し合うからだろうか?
悲しみを生むだけだからだろうか?
田舎町の夕食時のテレビから、黒く変色した死体が戦争の現実を語りかける。
「私、死んでますよ。」
平和の民は盛り沢山の食卓から、テレビの中の戦争に自分の都合を投げかける。
「食欲が無くなるね。」
聖の名を借りて自分のエゴを守るのが戦争なら、繁栄の中で自分のエゴしか見えなくなるのが平和。
血と涙しか流れない戦争を感情無くした平和の民が止める事が出来るのだろうか?
その地に近寄ることが許されるだろうか?
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太陽よ、なぜ人に影をつける。
人の影は、刹那の形か。
雨雲よ、なぜ人に礫をぶつける。
濡れた人は、なぜに悲しい。
この躯よ、何故そこで立ち止まる。
弱き心と愛の違いに月の光が夜影を深める。
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歩いてきた道を振り返れば、自分の位置が良くわかる。
回りの幾種もの樹を見れば、自分の高さが良くわかる。
靴を脱いで足を見れば、自分で歩いてきたのか良くわかる。
財布を出して札の数を数えれば、自分の地位が良くわかる。
君を見て心臓の音を数えれば、自分の気持ちが良くわかる。
何もかも捨て、何もかも晒し、何もかもから逃れ、何もかもを忘れても、自分の価値だけは自分には見つけられない。
だから、求めよう。
君という存在に自分の価値を。
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君と僕とで手をつなごう。
初めて逢うけど手をつなごう。
靴が違うけど手をつなごう。
歳が違うけど手をつなごう。
通じないから手をつなごう
色が違うけど手をつなごう。
食べ方違うけど手をつなごう。
解らないけど手をつなごう。
生きているから手をつなごう。
生きていくから手をつなごう
まぁるい地球の上にいるから、
君と僕とが手をつなごう
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感情を抑えることが出来たなら、人は人で無くなるかもしれない。
自分の感情を正当化するために、周りを悪と位置付けたりする。
何故に感情は抑えれば抑えるほど出口を探し暴れ回るのだろうか?
何故に感情は、「常識」の中に留まらないのだろうか?
この感情で悲しむあの人を愛しているなんて、
誰が信じてくれるだろうか。
君だけは「うん。」と頷いてくれるだろうか?
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ライオンに、平和の知識を与えれば、草食の方向に向かうのだろうか?
アリに儲けの知識を与えれば、もっと働くようになるだろうか?
サカナに栽培の知識を与えれば、針のついた餌には手を出さないのだろうか?
ウシに防衛の知識を与えれば、近所のスーパーには並ばないのだろうか?
ヒトの知識を無くしてしまえば、隣の芝は気にならないのだろうか?
ヒトさえ居なければ、地球はもっと輝くのだろうか?
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暗い部屋にふたつの言葉。
表情なんて見えない暗い部屋で、
僕の嘘が見透かされないように。
月明かりよりもっと暗い部屋で、
僕の嘘が本当にならないように。
何も見えない暗い部屋で、
君へと愛が向かないように。
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裸の君が持てるものは、そう多くはない。
右の手に戦う道具。
左の手に幾つかの宝物。
怒りに、右の手を振り下ろし、野心に左の手を差し出す。
人類の歴史には十分事足りる。
この先、人間が進化するならば、後二本手が増えると
丁度良い。
右の手を押さえる手と、左の手を押さえる手を。