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トリの部屋


[11] 細胞
詩人:トリ [投票][編集]

嘘で作られた細胞が皮膚を作り
嘘で作られた細胞が血液を巡る
嘘で作られた血液が
心臓を 脳を 駆け巡る
一つ一つの細胞が言ってる
"傷つきたくない"
嘘と嘘が固まり合って
お互いを守って 連携していく
そんな細胞で出来上がってる"自分"
もう 何が嘘だったか本当だったか
判別なんて不可能

だから少し バカになって
ほんの少し残った正常な細胞たちに
今にも消えそうな細胞たちに
呼びかけてみる
"君たちは、どうしたい?"

"本当は頼りたい"
"優しさに包まれていたい"
"甘えたいのに甘えられない"

ほんの少し残ったバカな細胞たち
安い言葉を並べてくる
私自身にすら響かない言葉
本当にバカなんだな君たちは

でも 分かってる
そんなバカみたいな感情を
見て見ぬふりをしてしまってる自分
本当はバカなのに バカだな
おつかれさま
だから今は 少し 休んでいて

2014/05/12 (Mon)

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