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トリの部屋


[13] 親友
詩人:トリ [投票][編集]

ある日 鏡の中の君を見つけた
君は 鏡の中の僕を見つけた

僕が髪の毛を切ると
君もいつの間にか切っている
僕が笑うと 君も笑う
僕が言葉を話すと
君はその続きを話す
答えまでは辿り着けないけど
君は誰よりも僕のことを知っている
だって君は僕で 僕は君

ひねくれてるところも
本当は臆病なところも
自分を守ってるところも
傷だらけなところも
それでも前に進もうとしてるところも
全部同じだね

でも いつか
君は鏡の中で 僕とは違う動きをする
僕は止まっているのに
君は片手を振る
そして向こう側に歩き始めるんだ

でもきっと ちっとも悲しくない
君が前に進むことをずっと望んでいたから
僕が前に進むことを君もずっと望んでくれていたから

僕は君で 君は僕
僕がまだ前に進めていなくても
君は前に進んでいる
もう一人の僕が 前に進んでいる
だからいつか
僕でも前に進める
僕も前に進むんだと
もう一人の僕の背中に誓うんだ

なんて 言いたいから
だから早く 幸せになってくれよ
って言ったら
君も同じこと言うんだろうな

2014/05/13 (Tue)

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