詩人:凜一 | [投票][編集] |
君とともに生きること
君の手で死ぬこと
どちらがより倖せだろう
なんて
君の一番深いトコロに僕を刻みつけて残す理由を
模索してみる
どっちに転んだって君は笑ってくれないだろうけど
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世界中のきれいなもの
ぜんぶ集めても足りないような
光の渦のなか
あなたと私
ふたりきりで
きれいな水
きれいな空気
きれいな燈
けれども私の目にただ映るのは
あなたの横顔だけで
そこには数えきれない程の命があったのに
そこで息をしていたのは確かに
あなたと私だけで
嗚呼、
このまま
この場所だけを残して
世界が消えてしまえばいいのに
夏が終われば消えてしまう
淡き蛍の燈に照らされ
願ったこと
この想いだけは
どうか消えないで
来年の夏もまた
出会えるだろう
泣きたくなる位きれいな
光の渦のなか
あなたと私
ふたりきりで
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神様どうか
僕を大人にしないで
自分を他人として見ることが
大人になるという事なら
僕はヒトリヨガリのままでいい
僕の背丈が
今より30センチ低かった頃
未来は
果てしない空そのものだった
昨日と今日と明日には
それぞれ違う僕が居て
裸足で確かめた土の感触
残るのは
僕だけの足跡だった
けれども今は
振り返ってみても
どれが自分の足跡かなんて
わからなくて
みんなと同じ革靴で
みんなと同じ靴音を鳴らし
踏みしめるのは硬質なコンクリートだ
未だ見ぬ明日や明後日に句読点を打って
出会う人すべて
自分さえも
カテゴライズして
未来は満員電車の中に納まっている
昨日も今日も明日も
同じ僕が居る
いつから「楽しい」が「くだらない」に変わったんだろう
たった30センチ上空から
未来も世界の端っこも見えてしまうなんて
気付いた頃にはもう遅くて
僕はきっと明日も明後日も
満員電車でため息をつくのだろう
みんなと同じ
革靴をすり減らして
神様どうか
僕を大人にしないで
あの果てしない空の下
ヒトリヨガリで居たかった
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君は優しい人
それはもう
悲しいくらいに
僕の前ではいつも穏やかで
非の打ち所のない優等生みたいだ
けれども
あいつの前では
からかわれて膨れて怒る
大きな声で笑う
普通の女の子になる
僕におはようと言う
穏やかな笑顔で
あいつにおはようと言う
肩をバシッと叩いて
この埋められない距離感
君は優しくて遠い人
君の優しさに何度傷つけられただろう
もう優しくされたくない
肩をバシッと
叩かれる程に
近くにいきたい
けれども君は
相も変わらず穏やかな笑顔で
まるで
「貴方には心乱されません」とでも言ってるみたいに
君は優しい人
それはもう
悲しいくらいに
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あの人に触れる方法
誰か教えて
少し前まではそう思ってた
自分一人では
どうすればいいか分からなかったから
誰かが手を差し伸べてくれるのを
若しくはあの人の方から触れてくれるのを
待っていた
あの人を忘れる方法
誰か教えて
今はそればかり考えている
結局
どんな状況に陥ったって一人じゃ何もできないんだ私は
あの人を「愛そう」と決めたのは他の誰でもない
私ただ一人の決意だったのに
今はもう
依頼心が本気の邪魔をして
どれだけ愛していたかなんて
きっと伝わりっこないね
でも
仕方なかったんだ
もう一人ではどうすることも出来ない程に
愛しすぎてしまったんだ
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貴方を愛していくということは
まるで
水を抱くように
ヒドク清らかで
現実味のないこと
留まることなく
さらさら流れて
すくわれてはくれないから
私のこの手は
貴方を前にしては
なんの役にもたたないのです
貴方はただ
さらさら流れて
私を狂わせていく
清らかな水
なんて現実味のないこと
嗚呼、こんなにも
私を濡らしていくというのに
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嗚呼
早足のあの人を懸命に追う
あたしはなんて健気なんだろう
嗚呼
あの人に叩かれてゴメンナサイと泣く
あたしはなんていじらしいんだろう
嗚呼
あの人の下で許してと喘ぐ
あたしはなんて可愛いんだろう
傍観者達は問う
どうしてあんな男と共に生きられるの
あたしは答える
だって好きなんだもん
その瞬間の悦びといったら
悦びといったら
嗚呼
もっと踏み付けて
もっとなじって
あたし本当は
あたしにいぢめられたいの
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君が
これまでどう生きて
今の君になったのか
僕なりに
理解したつもりでいるけれど
きっとまだ全然
君に近付けてはいないんだろう
君に恋して
君に触れて
君の笑顔
君の泣き顔
君の書く字
君の歩き方
「好きだよ」と言った時の
照れ臭そうでまっすぐな
君の声
すべて忘れないように記憶して
分析して
それでもきっと
これからもずっと
君に近付けることはないだろう
きっとそういうものなんだ
本気の恋は
叶っても
全然、叶った気がしない
いくら手に入れても足りない
君のことだけは
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君は何度も
ごめんねと言った
そばに居てやれなくて
ごめん
大事にできなくて
ごめん
愛せなくて
ごめん
苦しくて
悲しくて
何か言い返してやろうと思った
傷つけられたから
君も同じだけ傷つけばいいと
君を責める言葉を
たくさん考えた
けれども
どうしても思い浮かばなくて
私は確かに
傷つけられたけど
君と笑いあえた日々
君と抱き合えた日々
私は確かに
幸せだったから
ありがとう、しか
出てこないんだ
これから続いていく
君のいない日々が
どんなに寂しくて
どんなに辛くても
君に言いたいのは
ありがとう、だけなんだ
ありがとう、しか
ないんだよ