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凜一の部屋


[111] 小石
詩人:凜一 [投票][編集]

サヨナラが来たね

私はあなたの幸せを願い
あなたは私の幸せを願い
そっと手を振って
振り返らずに
バイバイしたね

あなたについた
最初で最後の嘘

ほんとはね
幸せになんて
なってほしくない

あたしが造れない
あなたの幸せなんて
無くていい


四つ角を曲がって
立ち止まって
静かに泣いた

あたしは幸せだったのに
もっと幸せになれると
信じていたのに

あなただけ
いつのまにか
イラナイモノに変えてしまったね


なんの余韻も残らない
サヨナラが悲しくて
あたしはそっと
指輪を捨てた

愛の誓いは
ただの小石になった

イラナイモノに
かたちを変えた


道路の脇に
ぽつんと佇む
光る小石

あなたにとっては
きっとただの小石

愛を使ったイタズラな玩具

でも、あたしには
まだ息づいている
約束


小石になあれ

思い出を忘れて


小石になあれ

涙が乾いたら

蹴飛ばしてあげる


見えなくなるほど
遠くに

消してあげる


小石になあれ

今はまだ
鮮やかに消えない

愛の雫よ

2004/09/25 (Sat)

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