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凜一の部屋


[267] 鬱蒼
詩人:凜一 [投票][得票][編集]

なにもないところに行きたいけど
独りではいたくないんだ


目覚めるのが嫌で
眠るのが嫌だった

見上げる空はいつも曇っている気がした

「寂しくないよ」
毎晩何時間も電話して呟いた

誰かにあいたくて出掛けた夕暮れに
誰かとすれ違ったら逃げ出したくなる自分がいた


「独りにしないで」と叫ぶには誰もいない場所が必要で

「生きているんだ」と証明するには死が必要だった



「寂しくないよ」
何十回も呟いた


「寂しくないよ」
イコール
「寂しさに気づいてよ」だと何故解ってくれないのと泣いた



生でもなく
死でもなく
ただ無を望んだ





「ここにいるよ」

自分が何処に居るか解らないくせに


「ここにいるよ」

それでも叫びたかった


2008/08/28 (Thu)

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