この季節になると淋しさが無限大になるようで樹の涙が落ち葉となってはらはらと降り積もる頃合を見計らって風が落ち葉の束をきれいに運び去るがまた… はらはら はらはら何度繰り返したろうか落ち葉もめっきり減り樹が小枝を揺らして微笑む…ありがとう 風よ もう悲しくはない 大丈夫だから 南の国へ旅立たれよ風は答えた…樹よ すっかり丸裸のあなたは 未だふるえているではありませんか 落ち葉がなくなっても 減らない何かを 抱えたままで
[前頁] [りんくすの部屋] [次頁]