詩人:niko | [投票][編集] |
水草に横たわり
君はTVを見ている
色を盗む魚たちをチラリと睨んで
長い髪を泳がせて頬杖をつく
月を歩く人のニュースが流れて
君は揺れる水面を見上げる
そんなに遠くへ行きたいわけじゃない・・・
懐中時計を開いて君は
お茶の時間に気付く
貝殻集めは明日にしよう水温が高すぎる
もう少しこうしてよう
そんなに何かが欲しいわけじゃない・・・
すっかり色を盗まれたTVを消して
君は楽しげに
カラーな魚たちに手を
伸ばす
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印象に微睡む
艶やかな浮き雲
風に押されて
ふと俯く砂利道
憧憬を燻らせる
逸り気な古い夢
それぞれに人は
時に焦れ込む
流転も臆さず
ただ
浮き雲は往く
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よりそうように
クローバー
ふれればぼくにも
きこえるよ
「いのちをありがとう」
そのいのちは
だれのためでもなくて
そのいのちは
だれのためにもなるって
よりそうように
クローバー
きみのいのちが
ぼくによりそう
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ありがとう
それいがい
ありがとう
うかばない
ぼくのそこ
みせてもさ
わらってる
きみがいる
ありがとう
ぼくはなる
そのままの
ぼくになる
きみのそこ
みえてもさ
いとおしい
きみにあう
このときに
いわせてよ
ありがとう
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雲が早い
群れた魚が先を急ぐように
雲が早い
僕が止まる
アスファルトに影が張り付いたように
僕が止まる
風は温い
食後まで忘れられたレンジの中のスープのように
風は温い
月が細い
深い眠りに落ちかけたまなこのように
月が細い
今日が美しい
生まれたての瞬間を繋いだように
今日が美しい
そしてそれは
本当なんだ
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右上に未来があって
君は左目で
今宵を仰ぐ
ひらりと身を躱すように
時のクエスチョンを
見て見ぬフリをしてみても
持て余す憂鬱
大丈夫
優しさなんてすでに
君のココロに住みついていて
強さなんてすでに
君の名前に忍び込んでいて
君はそう
魂の問い人
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よるがわらえば
ぼくもわらう
ぼくがわらえば
きみもわらう
きみがわらえば
よるもわらう
いちばんさいしょに
わらいだしたの
だれだったのか
わからないけど
ありがとう
またあおうね
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乳白の空へ
電車は走る
「一緒にどうだい?」
そう言われても
なんとなく僕は起きただけ
まだまだ地上で夢見たい
「それならお先に」
と電車は消える
窓の外には
忘れ物のように
漂うアナウンス
「おはよう 今日が始まるよ」
乳白のシーツへ
僕は落ちていく
「おやすみ 今日は休日なんだ」
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こよいがポロリンと
あかいテーブルにおちていた
ひんやりつめたく
ほんのりひかって
ぼくのゆびから
さみしさをすいとり
ポロリンと
ぼくをかなでた
だまされたようなかお
してたんだろう
こよいはクスリとわらって
「もうあしたへすすみなさい」
ときえてしまった