詩人:niko | [投票][編集] |
切なさに触ってみたくて僕は
切なくなるんだろう
それは君の言うとおり
とても心の無駄遣いなんだろう
それにしたって僕らの
指先が感じ得るものは
僕らを取り囲むものに比べて
少なすぎるとは思わないかい
今拭ったばかりのため息さえ
そのカタチに触れることすら
出来ないんだ
君の声だって
誰かの哀しみだって
どんなちっぽけな呟きだって
僕らの指は
触れられないように出来てるんだ
すべてに触ってみたくって
僕は切なくなるんだろう
そうして
また君は僕を
幸福と呼ぶんだろう
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空は大きい
僕はさみしい
草原に
たましいは転がって
僕は空っぽだ
何に祈ったって
願ったって
頼んだっていいくらい
薄紫色の雲を
ずうっと
見つめていたいんだよ
たましいは
僕に帰るかな
どこかで
迷っているのかな
無理もないさ
風だって吹かない闇のが
遥かに広いんだ
だけど
僕が怖いのは
たましいの不在じゃあないんだ
たましいが
最初からどこにも行ってないことのが
ずっと怖いんだよ
空は大きい
僕はさみしい
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恋によく似た
ときめきだけじゃ
ほんとの人は
探せない
風によく似た
囁きだけじゃ
ほんとの人に
届かない
その手に触れても
心は
もどかしさ
満ちてしまう
呼吸を止めても
この僕は
茜になってしまう
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むずかしいことは
むすかしいままにしとこ
どうしたってきょうは
どこにもいかない
たいようのあるとこで
きぶんがかわるくらいなんだから
かなしいことは
かなしいままにしとこ
そうゆうかんじっていったって
どうゆうかんじかはんぶんも
つたわんないくらいなんだから
しんぽしたっていったって
なんにもかわっちゃいないのさ
もじにもおとにもならないことだけが
ゆいいつほんとにつたわってるんだ
おかしなことは
おかしなままにしとこ
ただでさえきょうも
ほしはいそがしそうだ
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僕らは
月を見上げる
僕らは
月を見つめる
僕らは
月に惹かれる
だけど少し
その月は明るすぎる
だけど少し
その月は綺麗すぎる
涸れた海も
歪んだ丘も
ここからは
見えない
それでも僕らは
月を見つめる
それは
きっと
君に恋することと
少し似ている
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太陽と月なら
どちらが好きですか
砂浜と山道なら
どちらを歩きますか
退屈と忙殺なら
どちらを過ごしますか
哀しみと虚しさなら
どちらが辛いですか
臆病と後悔なら
どちらと戦いますか
無関心と身勝手なら
どちらを許せますか
誓いと約束なら
どちらを信じますか
あなたを創る
無限の中で
魂は何を
望んでいますか
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脆いことはよく知ってる
そんな全てで君は生きてる
泣きながら笑い転げたり
捨てながら欲しがったり
全てで君はここにいて
たまに僕を責めるんだ
ビーズのブレスを見つめたり
シルバーのクロスに願ったり
それでも何かが足りないんだ
大事なものは何なのと
僕に聞いても上の空
知りたいのは自分のことだろ
明日も昨日も関係ないのさ
仕様がないから付き合うよ
逸れた君を探しに行こう
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ひゅーん ひゅーん
と頭の上を
黒い鳥が飛んでゆく
あの鳥の名前さえ
僕は知らない
黒い鳥なら
カラスくらい
他には一つも
思い浮かばない
黒い鳥は
僕を何だと
思うだろう
大きなアリだと
思うだろうか
何十年も生きてきて
自分の正体さえ
僕は知らない
真っ黒なその鳥は
気持ちよさそうに
ひゅーん ひゅーん
と飛んでゆく
見ている僕に
気付くだろうか
無恥な僕を
許すだろうか
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きみが行きたい国に
僕がなれたら
どんな服着て
きみを待とうか
きみが読みたい本に
僕がなれたら
はじめになんて
話し掛けようか
きみが踊りたい曲に
僕がなれたら
何小節目で
転調しようか
きみがつけたい香りに
僕がなれたら
どうゆう名前で
誘おうか
きみが焦がれる愛に
僕がなれたら
何からきみに
差し出そうか