詩人:ノリ | [投票][編集] |
夏の大三角
指差して笑い合ったね
潮風に飛ばされないでと
抱き寄せた君の背中は
切なくて哀しくて
涙色の海が奏でる
波音が僕らの時間を
飲み込んでゆく
愛なんて滑稽だな
流れ星に訴えるけど
遠い夜空に消えていくんだ
僕の手を握り締め
キスをせがむ君の心は
塩っ辛くて苦手だ
愛の言葉も
時には無情だな
この夜空には叶わない
朝まで待って
もう一度伝えよう
振り向いて 今君を
連れて行くよ 未来へ
夏の終わりと始まりの話
詩人:ノリ | [投票][編集] |
星空が飴になった夜
見えない世界に吹いた風
このまま溶けてしまいたい僕も
溶かしきらない生ぬるい季節
あの瞬きすらも嘘かと
さざめく波に聞いた夏は
白い綿あめがシュワっと消えて
ほうき星みたいに通り過ぎた
飴クズの星は甘いまま
懐かしくなる景色のまま
そよぐ風だけが季節の便りで
死にたがりの僕に
しつこく訪れる飽きた明日だけが
たしかな世界はもう消えて欲しくて
閉じ込めた星空だけで
僕の世界は十分だ
このまま溶けてしまいたい僕の
甘い飴玉の夢
また夜空が薄明るくなっていく