詩人:ノリ | [投票][得票][編集] |
コクワガタが一匹
逆さになってもがいてた
予想外の大きな壁に
ぶち当たって
転んだのだろう
『自分で立ち上がれ』
それでも
2時間後・・・
まだもがいてた
僕はコクワガタに
人差し指を差し出した
そしたらギュッと
体中でしがみついたんだ
どんな気持ちなのかは
正直わからないけど
泣いてる様にも
思えたんだ
星も無い静かな夜の空に
一生懸命手足を伸ばして
もがいても
もがいても
それでも
立ち上がれなくて
悔しくて泣きたくて
叫び声さえも
僕らには伝わらなくて
虫である事さえ後悔して
そう思うと
僕の周りの友達や家族
それに
この部屋の
住民達の一言が
僕の周りにいる意味が
分かった気がするんだ
限界まで頑張って
それでもダメなら
誰かに頼れば良い
恥ずかしい事ぢゃない
僕も君も人である意味
なくしちゃったら
もったいないよ
ほら
コクワガタも
飛んでいったよ
宛てのない夜空へ
一番星を求めて