僕は毎朝ひと気のない通りで歌いながら歩く人が向こうから来ないかドキドキしながら青空の雲に届くようにと目を細めて歌えば道の端に咲く野の花に出会った梅の花に見とれてゆっくりと歩けば昨夜の夜露でぬかるんだ道に足をすべらせたドジだなあと自分を笑う僕を見てランドセルを背負った小さな女の子がにこりと笑った僕は少しはにかみながらおはようと言った
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