ホーム > 詩人の部屋 > 柚の部屋 > 二度目の誕生日

柚の部屋


[81] 二度目の誕生日
詩人: [投票][得票][編集]

真っ暗で記憶からかき消された夢の後

起きた僕は泣いていた

ポロポロ ポロポロ 涙を流していた


内容なんて覚えていなくて

悲しいのか嬉しいのかもわからないほどに

胸の中にはただ真っ白があって

呼吸が苦しかった

泣いて 泣いて 呼吸が苦しかった

けれど心地が良い思いが

僕の中を満たしているようで

今 僕はこの世界に生れ落ちた気がしたんだ


朝日は僕を照らし

鳥の声だけが僕の中で響く

寂しいのか 切ないのか 

なんだか感動してしまっているのは僕で

お別れのバイバイのように哀しく

出会いの初めましてのように

温かな気持ちが そこにあった


きっとそれは僕自身に伝えたいことで

自分とさよならと初めましてをしたんだね

蒼く高い青空が窓から見える

今日は快晴 雲ひとつない


僕は 僕で

僕だからここにいて



初めて世界に生れ落ちたような気がしたんだ



2009/04/10 (Fri)

前頁] [柚の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -