詩人:ヨワムシ | [投票][編集] |
雨が降らない世界なら
私はどんな事を願う
幸せ探しの旅は
結局終わりのない旅だ
ゴミ箱に捨てた物を
汚れずにとるなんて
理不尽でつまらない
ネズミが呼ぶ月の下
三角座りで眺めてる
汚れた手は傘を持ちながら
雨が降らない世界なら
きっと私は雨を待つ
終わりのない旅ならば
それすら幸福論になろう
汚れた手で傘を持ち
鼻歌歌い泣いてても
ネズミは知らぬ顔で去り
月は雲に遮られ
光に照らされずとも
次に照らされる時も
私は傘をさしている
雨の降らない世界なら
結局世界に意味はなく
意味はいつも私のもの
雨が降ろうが降るまいが
傘をさす事が世界になる
雨の降らない世界なら
願う事はただ一つ
私に傘をさしながら
雨を待つ時間をください
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無音の世界に溶け込んで
僕は黒と同化する
そのまま黒に飲まれても
別に僕はかまわない
天使の羽を探したけれど
天使の羽はみつからない
いつしかすべて諦めて
いつしか黒と同化した
黒から白はよくみえて
きっとそれに焦がれてる
僕は白にはもうなれない
天使の羽も探さない
すべて諦めすべて委ねて
黒から白を眺めてる
いや違う
僕は黒にいるだけだ
自分で選んで
いるだけだ
白がすべてなら僕は
黒は諦めなのだろう
だけど僕はただ黒を
自分で選んだだけのこと
さあみてよ
僕の黒を
その白の世界から
僕がいるこの黒を
焦がれてよ
この黒の世界を
天使の羽は白にあるなら
僕は悪魔の羽ですら使おう
それに僕は握ってる
ずっとずっと握ってる
耐えて耐えて握りしめてる
この拳を開いたら
きっと黒じゃない色が
手のひらに広がるから。
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記憶のかけら
ひとつ拾って
こんなに綺麗だと
はじめて気づく
割れてしまった
かけら達は
僕のどこかに
いるんだね
ひとつひとつ
輝いていて
ひとつひとつ
意味をもってる
もっともっと
大人になれたら
全部集めて
パズル作るよ
いくつかピースは
足りないだろう
それもまた
いいんじゃないかな
ちっぽけな悩みなら
ちっぽけと笑えばいい
どうしようもない悩みなら
どうしようもない諦めよう
ひとつひとつ
ピースなんだな
ひとつひとつ
僕なんだな
今日もまた
ひとつ忘れて
今日もまた
ひとつ見つかる
いつかすべて
忘れたときは
きっとパズルが
導いてくれる
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寒い冬が終わり
暖かな春が来る
暑い夏は待ってて
涼やかな秋は眠ってる
春夏秋冬
何度目だろう
気付かずに過ごしてきた
あと何度だろう
気付かずに生きていくのは
ふと止まった季節の中
風を感じた瞬間
私は命を感じる
またいつか
この風を感じ
季節を数えてたら
僕はそっと笑いたい
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自由になったその日から
僕らは足がもつれてく
忘れるはずのないことも
今はどこかに行方不明
探さない探すわけない
そんなものもう昔ばなし
何千回何万回後悔し
何千回何万回諦めて
何千回何万回負けてきた
そう僕らは敗北者
だれかの詠う敗北者
だからまた立ち上がる
だからまた戦える
だって僕らは敗北者
なぜならそういうならば
天下無双の敗北者
掴めなかったこの手にも
握りしめれば手のなかに
なにもないだからいい
だからまだまだ戦える
武器はなし失くしたよ
仲間はいない始めから
それでも戦う何度でも
またきっと負けるけど
だって僕は敗北者
何千回何万回戦うのは
何千回何万回勝ちたいと
何千回何万回願うから
なぜならそういうならば
天下無双の敗北者
ああ今日も負けるかな
ああ明日も負けるかな
何度負けてもかまわない
なぜならそういうならば
天下無双の敗北者
百戦錬磨の敗北者
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壊れた扉開けた先に
笑う僕を睨む僕
君はそこで
なにしてるの
僕はここで
なにしてるの
世界を諦めた
振りをして
遠い空に
焦がれてる
幸せだと笑ったら
不幸だと睨むんだ
強くなれた
弱いまま
矛盾から逃げた
怖いから
ただ
ただ
太陽を待っている
だからまだ
僕は僕を忘れない。
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天気予報は外れたから
今日の予定は全部なし
光の森が手招きするけど
僕は眠っていたいんだ
風が僕を通過して
幸せだねって言ってるみたい
目を閉じて夢を見て
夢の続きを探してる
こんな日は
何度も来ない
幸せが風と共に
幸せが目に見えるように
外れた天気
僕は元気
光の森の木陰に座り
ゴールなんて興味なし
幸せ風と僕と猫
ぐっすり夢をみて眠る
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人生に点数をつけるなら
僕は今何点だろう
みな百点を目指して
書いたり消したり
みな幸せを目指して
泣いたり笑ったり
長い短い
それぞれのチャイムまで
一問一問
一歩一歩
百点はいらない
それは誰かの答えだから
できれば先生に
げんこつもらうくらい
点数とって
チャイムが鳴ったら
僕はきっと
こういうんだ
百点じゃないけれど
大変よくできました
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世界が始まる瞬間に
僕は手を伸ばしてる
誰もいないこの世界
掴むものもない世界
なぜ手を伸ばすかも
わからず手を伸ばしてる
終わらない夢さえも
もう僕に夢をくれない
大丈夫
大丈夫
世界が終わる瞬間に
僕はきっと笑うから
探さなくていい
ここにいる
忘れてもいい
忘れないから
世界が始まる瞬間に
世界が終わる夢を見る
だから僕はいつまでも
ここで手を伸ばすんだ
ここで手を振ってんだ
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見えない明日
見ようとして
昨日を置き去りに
して歩いた
越えられない
壁の前
何度も叩いて
返事を待った
間違ってるか
間違ってないか
決めるのは
私だから
間違ってない
いつだって
昨日を置き去りに
歩くから
越えられない
壁の内側
長い時間
返事を待った
聞こえてきたのは
昨日から
そっちに明日は
ないんだよ
間違ってたと
認めたのは
壁の扉を
開けた日から
今はもう
昨日にいる
明日はもう
見えてるから