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250(悠)の部屋


[2] あの日のバラード
詩人:250(悠) [投票][編集]

当時の私は
せっかちで
聴く曲は
速いのばかり
遅い曲には
見向きもせずに
ただただ前を
走り続けていた

置いてけぼりの
遅い曲は
それでも歩を
止めてはおらず
その事に
気づいたのは
ある日の事だった

私は
駆け足で
大きな石に
つまづいて
転んでしまって
怪我をして
長い間
蹲っていた
その時だった

遅い曲が
えっちら
ほっちら
追いついてきて
こんな私に
寄り添ってきた

こんな私に
寄り添ってくれたのだ

「あぁ遅い曲さん。ごめんなさい。」
「私は速い事が良い事だと思っていて、こんな風に怪我までしてしまった。」
どこかで遅い曲の事、馬鹿にしていたのかもしれない
だから寄り添ってくれた遅い曲に対して、なんだか申し訳ない気持ちになった

そんな気持ちを、知ってか知らずか、遅い曲はまた前を見据えて歩き出した
私もゆっくり歩きだして、一歩一歩を大切に踏みしめるようにした

あの日の事は、今でも忘れてない
遅い曲さん、ありがとう

2020/04/25 (Sat)

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