詩人:老女と口紅。 | [投票][得票][編集] |
昨日は土曜日、遅い晩飯。残業の疲れを背負い酒を飲み終え、ぐでん.と横の布団へ首まで浸かる‥目が静かに閉じてゆく中、つけっ放しのテレビが子守唄の様に耳に触れる。ゆるーく深夜の2時を回る頃、肩身の絞まるひどい寒さに目が覚めゴロリと寝返りをうつ。するとTon.Ton!とドアを叩く音がした。テレビを消し静まり返るこの部屋で耳を澄ますがこの時間に訪問者などあるはずもなく差ほど気にもしないまま、知らずの内にまた眠りについていた。‥そしてまったりと目覚めを迎えた今日は日曜日。眩しく日差しを浴びながらパジャマのままで少々のびた足の爪をおもむろに切り始める‥パチン、パチンと部屋に響く平穏。休息を満喫する幸せに大きなあくびと背伸びを一つ。‥するとまたあの音が聞こえてきた。Ton.Ton!とドアを叩くあの音だ。振り返るもまた誰もいない状況にTon.Ton!と繰り返されるノック。鼓膜を叩く音だと、ようやくそれに気が付いた僕はステンレス製の耳かきでホジホジ。すると五_程のうす黄色い悲痛な顔の干からびた宇宙人が出てきた。驚いてよく見てみれば単なる耳かす