木漏れ日に つつまれて二人六月の風は 四つ葉をゆらすうつむいた 麦わら帽子彼の手が 髪たぐりよせ君の瞳には 私がいたのかかとが大地を離せば音と光は息を飲み 時と風は歩みをとめた私の唇はゆっくりと 甘く切なく濡れてゆく震えた吐息‥ この身と共に しなやかに流されて広い胸へと 沈みゆきこぼすことなく あますことなく つつまれて つつまれて私‥時よ お願いもぅ 少しだけこのままで いたいの‥…
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