詩人:老女と口紅。 | [投票][得票][編集] |
-夢回廊-
つらつらうつらと夢うつつ
ベッドに横たわる僕の体に
今日も平等の元に日は灯る
さぁ眠れる獅子にも白々と
緩く締めた夜は明けてゆく
目覚めの悪い夢を見ながら
程よく掻きむしられた喉仏
只今シーンは最悪の場面で
溺れる間際に掴んだ藁には
ハズレの文字が刻み込まれ
死に物狂いでしがみ付く指
ドラマチックにサスペンス
思考回路は特売の量産部品
頭の中は劇的に悲劇な訳で
つらつらうつらと夢うつつ
生きる為のイマージュなら
極楽浄土にリムジンで行き
お釈迦様のポケットめがけ
札束丸めてねじ込みながら
口は上手に胡麻を擦るのさ
天国へのチケット貰うまで
夢ならつらつらうつらつら
釈迦の野郎がおかんむりで
足首もがれて転がる坂道は
這って帰れよとあみだくじ
人生の筋書きのない筋道は
どうにもこうにも不安定で
情熱的に力尽きるお芝居に
神様の目が少しだけ開いた
つらつらうつらと夢うつつ
貧乏神の手には黒いバトン
長い夢回廊はエンドレスさ
もう歩けねぇよと仰向けに
垂れてきたのは釣り針に餌
パクっと喰えばサプライズ
社会の窓が開け放たれた今
掴みに行こうぜフリーダム
自慢の自信渦状は野放しで
顔は隠して前は隠す事なく
午後の大気を浴びに行くか
夢ならつらつらうつらつら
働いて涙隠して働き倒して
目も回る地球も回る星の上
まだ乗るのかい大観覧車に
法則は規則正しい無気力で
平穏な日常の中に繰り返す
あぁ回る回るよ時代は回る
夢ならつらつらうつらつら
石橋を叩いて歩くよ回り道
裏道には落とし穴横穴に熊
転ばぬ先の杖はへし折れて
とぼとぼ歩けば棒にあたる
痛くないフリするのは何故
砕け散る気力の収集家は誰
座右の銘は七転び八起きさ
つらつらうつらと夢うつつ
羊のフリした子猿が小芝居
見抜かれるのは時間の問題
百円均一の手順書を片手に
見失うはずのないシナリオ
ズル賢く生き抜く為の想像
イマージュを帰路の途中に
ポストカードへと書き記し
宛て先は未来の僕の元へと
僕だけが知る僕への手紙に
また神様の目が少し開いた
夢ならつらつらうつらつら
夢回廊はフィナーレ間近で
切手は貼らないがいいかい
真っ赤な顔したおじさんの
四角いお口は沈黙のままに