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老女と口紅。の部屋


[83] 太陽の詩っぽ
詩人:老女と口紅。 [投票][得票][編集]

お日様が

とぷり
 とぷりと
  暮れたなら

抜き足
 差し足
  忍び足

こそりと
 歩む路地裏の

人には
 こびぬ物語り

なんの因果か猫となり
 人に飼われてみたものの

肌には合わぬ
 あの暮らし

思い出す程 切ないが

捨てた主人に
 未練はないさ

心が凍てつく
  こんな夜も
ヒゲが折れそな
  あんな夜も

天涯孤独と決め込んで
しぶとく生きてやるんだと


ねぇ
 旦那ぁ‥

そりゃね、
コタツの温もり恋しいが
 今となっちゃ〜流れ者

誰もこんなオイラを
 拾っちゃくれませんぜ


ビルの谷間を足早に
 月の明かりに導かれ
  どこ吹く風と独り旅

いつか必ず

太陽のしっぽを
 掴んでやるのさ



そうしてノラの
 つぶらな瞳は

いつまでも
いつまでも

綺麗な星空を
見つめておりました。



とさ

2009/02/11 (Wed)

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