詩人:老女と口紅。 | [投票][得票][編集] |
時は今
三月下旬の
風が吹く
校庭で
揺れたのは
みよちゃんの髪
あかね色。
巡る日差し
四月の桜へと
惜しみなく注がれて
君が手にとる蕾は
浅い眠りと旅の途中。
あの時
僕は確かに
眺めてた
君だけを‥
時は今
三月下旬の
風が吹く
校舎の中で
揺れたのは
僕のとても
柔らかい所。
君へと
堕ちてゆく事は
たやすい事と
感じたから
君が眩しくて。
けれど僕を
取り巻くのは
恐れと不安と‥。
早過ぎる恋心だから
逃げ去るように
僕はかるく
目を細め
ゆっくりと
君を照りつける
太陽へ
視線を移したんだ。
互いが傷つく
その前に‥