詩人:音井尚信 | [投票][得票][編集] |
朝焼けの日々 2001年5月31日
もろく はかなく そして美しい
そんな時代で僕達は
何を得て 大人になったのだろう
夕焼けが 全てを赤く染めるように
いつしかまわりは
かけひきと打算にあふれた世界へと姿をかえていた
サングラスと 缶コーラと たばこ
そんなものにあこがれて
日が暮れるまで草むらを走り回った
あの時の僕達は
そんな日々が悠久に続くと信じていた
遠く あやうく そして懐かしい
そんな時代に僕達は
何を残して 大人になったのだろう
霧が 全てを覆い隠すように
いつしかまわりは
ざわめきと雑踏にあふれた世界へと姿をかえていた
過去と 未来と 現在
そんなものにとらわれず
目にうつるもの全てを知りたかった
あの時の僕達は
そんな日々をただがむしゃらに生きていた
朝焼けが やがてうすれ 夜が明けるように
そんな日々も もう終わってしまった
でも僕達は まだ確かに覚えている
まばゆい程の 日の光のもとで
薄れ消えてしまった
そんな日々のことを
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