詩人:六条千夏 | [投票][編集] |
高嶺の花には刺があると思っていた。
本当は高嶺の花ぼど優雅で誠実なんだと知った。
枯れかけの花ほど刺々しいと思った。
枯れてしまった花は刺だけではなく毒まで撒き散らしている。
水をあげると毒を吐く枯れた花と、水をあげると素直に喜ぶ高嶺の花。
何故こんなにも違うのか。同じ花なのに。
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甘い甘い蜜を運ぶは雄蜂。甘い甘い蜜を欲すは雌蜂。
甘い蜜をもっと運んで。
私は甘い時間をあげるわ。
甘い時間は楽しいわ。
甘い時間は気持ちいいでしょう?
素敵な時間をあげたから、蜜を、蜜を運んで。
私を虜にする蜜。
貴方を虜にする甘い時間。
ねぇ蜜をちょうだい。
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私は貴方に造られた。
貴方の好みの天使として。
貴方が来ると美しく微笑む
貴方が来ると素直な天使。
貴方から与えられた刺激も感じたフリ。
すごく気持ちいいよと言えば貴方は満足。
貴方に会えてよかったと言えば貴方は嬉しそう。
貴方が帰れば私は止まるの
動く必要ないもの。
貴方だけよ。
だって、貴方は喜ばせば、私の為に何でもするもの。
次ぎ来る時は昨日より可愛く笑うわ。
私は貴方に造られた天使だから。
大好きよ、貴方。
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パパは優しかった。
パパは強くて私を守ってくれた。
私はパパが好き。
ママもパパが好き。
だと思ってた。
ママは私に言った。
「パパには秘密よ。」
ママは私に新しいパパを紹介した。
幼い私でも幻滅した。
パパはママに騙されてる。
ママの笑顔は作り物なんだよって言いたい。
パパ、可愛そう。
だから、パパは怒った。
ママの秘密を知ったから。
ごめんなさい、私も共犯だよね?
でも、パパは私を許してくれた。
優しく抱き締めてくれた。
やっぱりパパは私の大切なパパなんだね。
パパ、大好き。
愛してるからね。
ねぇ、聞こえてる?
そんな事もあったよね。
私、パパが私のパパでよかったって思う。
パパ、聞こえてる?
聞こえないよ…。
もう、聞こえないよ。
パパは違う世界にいるからね。
でも大丈夫だよ。
声が聞こえなくても、姿が見えなくても…。
私の中に居るんだよね。
パパ、おはよう。
今日もいい天気だね。
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君は小さなケーキを買ってきた。
小さなケーキ。
可愛いケーキ。
小さなロウソクを一本。
消えそうな火。
小さな温もり。
小さい火を眺めて吐息。
可愛いね。
暖かいね。
静かに頷き囁く。
手…。
繋いだ手は暖かく優しい。
君の手好きだよ。
暖かいね。
優しいね。
可愛いね。
小さいね。
ケーキもロウソクも君も。
可愛いね。
小さいね。
優しいね。
暖かいね。
君が好きだよ。
小さな僕の温もり。
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めっちゃ可愛い
めっちゃ好きや
その一言は私を苦しくさせる
めっちゃ好き
めっちゃ好き
ありがとう
嬉しいけれど、苦しいよ
めっちゃ可愛い
めっちゃ可愛い
淋しそうな目で見ないで
苦しくなるよ
また来るよ
絶対来るよ
ありがとう
嬉しいけれど、辛いよ
めっちゃ好き
めっちゃ可愛い
淋しそうな背中、ごめんね
貴方の気持ちは私の心にしまっておくからね
ごめんね
ありがとうね
優しい貴方
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ぼくはまだ小さくて見るもの全てがすごく見えた
ぼくはまだぼくで
きみを守るチカラもなくて
まだぼくときみは手をつなぐだけで
楽しかった
きみはカワイイままで
ぼくは背伸びして
ぼくはいつしか俺になり見るもの全てが当たり前になってた
ぼくはもう俺で
君を守れるよ
俺は君にキスをする
君が好きだから
愛してるだけじゃ足りないよ
何度もキスしよう
俺はぼくじゃないから君を受けとめるよ
囁いて
キスして
君の我儘を聞いてあげるから
少し待ってね
もう背伸びしないから
俺と君大人になるからね
二人で大人になろう
この街で
二人出会ったこの街で
大人になろう
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まだ動けるね
まだ歩けるね
まだまだ続く道は険しく残酷に続き私を苦しめる
光さえも掴めず
ただ息を吐き、歩き、泣き、歩き、息を吐く
永遠の螺旋階段
まだ続く針の道
痛む心
泣く体
助けてとは言わない
言えない
これは私の道
光を求めては、諦め、求めては、挫折する
教えてとは言わない
まだ続く針の道
悲鳴も闇に吸い込まれ
嘆きは闇の向こう
まだ続く螺旋階段
光を掴むその日までは
まだ止まれない
まだ笑えない
まだ
まだ…
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この長雨がやんだら春が来るのかもしれない
だったらこの雨は訪れる春に花を咲かす木々達への恵みかもしれない
この雨はコートを着込んで寒々しく過ぎる毎日にうんざりしている人々への春の訪れというメッセージかもしれない
この雨は何かを語りかけているかもしれない
それに気付かず毎日を送るのだろう
誰かが気付くのを待って
しとしとと泣くように降り続けるのだろう
誰か気付いてと
この雨が止む頃
私は何を思うのだろう
私は何を感じるのだろう
まだ分からない
まだ気付かない
雨に隠された詩に