詩人:六条千夏 | [投票][編集] |
パパは優しかった。
パパは強くて私を守ってくれた。
私はパパが好き。
ママもパパが好き。
だと思ってた。
ママは私に言った。
「パパには秘密よ。」
ママは私に新しいパパを紹介した。
幼い私でも幻滅した。
パパはママに騙されてる。
ママの笑顔は作り物なんだよって言いたい。
パパ、可愛そう。
だから、パパは怒った。
ママの秘密を知ったから。
ごめんなさい、私も共犯だよね?
でも、パパは私を許してくれた。
優しく抱き締めてくれた。
やっぱりパパは私の大切なパパなんだね。
パパ、大好き。
愛してるからね。
ねぇ、聞こえてる?
そんな事もあったよね。
私、パパが私のパパでよかったって思う。
パパ、聞こえてる?
聞こえないよ…。
もう、聞こえないよ。
パパは違う世界にいるからね。
でも大丈夫だよ。
声が聞こえなくても、姿が見えなくても…。
私の中に居るんだよね。
パパ、おはよう。
今日もいい天気だね。