詩人:ペパーミントあい | [投票][編集] |
《甘美な悪》
振り返ると
そこにいる
真昼の自分の影
忘れられない
甘い甘い悪いこと
捨てられても
置き去りでも
欲望の雨は降りしきる
飼い殺してる
男の姿は
愛という名の影
所詮 それだけだね
考えてるフリして
何も知らないくせに
あたしの世界に入ってこないで
欲望は
深く切なく
誰かで埋めるより
妄想のが
満たされ心地よい
欲情だらけ
甘い甘い悪いこと
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《あやまち》
たった一日。
あなたが笑うだけで
声を聞くだけで
瞳の奥にいるだけで
こんなにも盲目になる
人も時間も何もかも
どうでもよくなる程
幸せはあなたでできている
その姿に身を焼いて
例え私が灰になっても
ちりの一つでさえ
誰にも渡したくない
さよならよりも
遠い処に行きたくないから
自分の気持ちを守るの
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《知らない人》
下らない愛に生き
下らない愛に死ぬ
許されることを
ただ願い
下らない愛に泣き
下らない愛に笑う
信じつづけることで
救われる
下らない愛に生かされて
今日も明日も躊躇する
下らない愛が幸せ
下らない愛が苦痛
悔し紛れの涙の中に
一夜の夢を結びたいと
今日も明日も
誰かの腕の中で
お願いした。
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《生きること》
あまりにも。
あまりにも溺れていたから
見えていなかったんだ
自分以外のもの。
楽になりたいからと
どうしても苦しい日は
天(そら)を見た。
その一部にさえ
なってしまえれば
全てのものから解放されると思ったから。
……でも。
生きてこそ見届けたい。
今、ここで自分だけが
天へ逝くのは
卑怯だと思ったから。
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《糸》
約束をした
自分の心と
もう例え何があっても
放さないからと
夕暮れの夕陽が
窓を染めていく
明日が近づいてくる
あなたに会える日
一糸まとわずに
何も感じないこの躰に
いつかは触れて欲しいと
願う
行きたくない
今日もまた汚されるから
あなたを探す
瞼の裏で
暗がりの中で
必死で想像しても
あなたが欲しいと叫んでも
リアルな現実は
確かに私を買った顔
服を脱ぐ
一糸まとわぬ
この躰
どこへ行く……?
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《水》
乾いた舌が
うるおってくる
ファスナーを下げる音
蛇口を回す音
浴びせられる
水の音
知らない人に
もう 会いたくない
すぐに 逝きます
涙は すぐに逝きます
こぼれても
溢れても
すぐに
どこかへ行ってしまいます
いつか
いつの日か……
そればかりを信じて
悶えています
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《いつも いつまでも》
どこまでも広がる青空に
このまま 連れ去られて
永遠を望めば
あなたに黙って泣いてた
愚か者だって知られたくないから
二人で見た星空と
海へ続く道すがらに
確かに笑えていたから
いつも いつも考えてる
バカげてるって思うよ
だけど ずっと変わらずに
好きでいるんだと
愛してるって
恋してるって
何度心の中で叫んでも
飽きないから不思議
あなたを待つ駅の
ロータリーで泣いた
来ると分かっていても
つい不安になるから
小雨に打たれてる自分は
みっともないから
黙ってた
愛してるって
恋してるって
何度心の中で叫んでも
飽きないから不思議
そして朝もやに
浮かぶ沈む君へ
笑顔を贈ろう
傍にいるよ
ずっと離れないから
何度心の中で叫んでも
飽きないから不思議
「ありがとう」と
「さようなら」は
この世のどこへ続くんだろ?
何もかも捨てて
何もかも忘れて
一体これから
一人で耐えて
いつも いつまでも
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《記憶》
雨に濡れた
庭に閉め出された
幼い日を思い出した
小さなあたしは
何も知らず無垢でした
御母(はは)の手は
冷たく温かいものでした
なぜ
忘れることができるのだろう?
欲しいのは、
望んでいるのは、
御母の冷たい手じゃなくて………
雨に濡れたのは
御母でした
泣いているのも
御母でした
「ごめんなさい」
をあと何万回、云えば
許されるでしょう?
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《ころっけ》
忘れかけた頃に
欲しくなるの
どうしてこんなに
欲しくなるの?
狐色の
金色の宝物
中身は、香ばしく
幸せになるの…
その日の朝は
青く青く澄んで
お昼の時間
恋しくなるの
揚げたて
冷めても
愛がこもってる
幸せのトキ
忘れかけた頃に
欲しくなるの
どうしてこんなに
欲しくなるの?
狐色の
金色の宝物
中身は、香ばしく
幸せになるの…
店主の笑顔
包み紙ひとつ
おまけでもらった
あたしも笑顔
それなのにあなた
どこかへ行った
行かないで
消えないで
どこへ行ったの?
大好きよ
忘れない
また会うから
あなたがくれた幸せ
「落とした」
なんて言えないから
どうぞ許して
あたしの罪を
金色
犯した罪
熱いうちにどうか
代わりなんてあなた以外いないの…
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《引っ越し》
降り続いた雨は
今朝やみました
雲の間から見える
街たちは新鮮でした
沢山の荷物を背に
私は彼を待ちました
手の中に溢れる
埃のかぶった思い出は
すり切れても輝いてました
彼の車に荷物を積んで
新しい家に行きました
降り続いた雨は
今朝やみました
沢山の荷物を背に
私は彼を待ちました
この街を捨てて行くことは
彼の元へ行くことです
ありがとう。
今、私は苦しいくらいに
幸せです。