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洋梨の部屋


[37] 深暗穴
詩人:洋梨 [投票][編集]

目を閉じているのか

開けているのかさえ

わからない

真っ暗な

『穴の底』



痛イ....

僕の身体は微かに声をあげた
身体じゅうに

かすり傷や

あざができている

....と思う

暗くて

何もみえないけど、

そんな気がする



ココハ、何処ダ?

なぜだろう

足が

手が

身体が震えている

怖いのか?

なにを

恐れる?



ア、僕、変ナコトシテイル....

さっきまで

きづかなかった

鼻から、

口から、

なにかを吸っては

なにかを吐き出している

身体の中の

なにかが大きく

脈うっている

あそこにいたトキは

こんなコトしていなかったのに

こんなコト必要じゃなかったのに





『....ヨ』

『....ダヨ』

ふと耳を澄ますと

なにか聞こえる

女とも

男とも

とらえられるような

光に満ちた声

....僕ヲ、呼ンデル?

誰ノ声ナンダロウ

優しくて

どこか懐かしい声




『....ダヨ』




『コッチダヨ』



あぁ、

今行くよ

あなたのもとへ

2005/12/04 (Sun)

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