ホーム > 詩人の部屋 > 遥 カズナの部屋 > 投稿順表示

遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[199] さとうきび
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

みどり色した
きびゆれて
みえかくれ
ゆれかくれ
はがくれ

甘い
はなしがある
はてしのない
はなしがいのはなしかい

いつもたいせつでない
ことば
かりが
なにも
はなす
まえから
誰のこころのなかにも
はなされ
やっとたいせつな
文字のひとつを
ねのある
一つを
かりとり
わたした

私の機微

2015/02/06 (Fri)

[200] 愛想
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

こどもたち
きみたちは
私にとっての
あらゆる物事と向かい合うべき時の理由の根底の表面に
薄く、細かく、広がっている

どうにもできない
にぶい痛みに
貧弱な言葉がはじらう

君とは
花よりも、早く、咲く、かれる事のない安心色
紙で切り裂かれた
血の滲む傷口から
爽やかな理由が
心から
ひろがってしまう
その事

後悔するくらいなら
死んだほうが
良かったように

君はいる

2015/02/09 (Mon)

[201] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

君が
君でいたくなくなってしまった時のために
書いている

頭の中で
なにもかもが
わからなくなって
誰か
たえられない人がいたり
取り返しのつかない
失敗の後悔にさいなまれたなら
とりあえず
外出するといい

空や海、山や川、雲や雨を見に行って欲しい
もう、見た気でいても
外へ出て
まのあたりにする光景には力がある
それを確かめに行って欲しい
それらには
君を励ます力がある
それは
渇いた土地にわきだす
小さなわき水のように純粋で
誰にでも分け隔てなく
あたりまえのように溢れ出ながら
かけがえがない

僕にとって
君に巡り会えた事が
そうであったように

2016/04/29 (Fri)

[202] シーソー
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ぎったん、ばっこん
ぎったん、ばっこん

着地してから
踏ん張りながら
強く、上に向かって蹴り上がる
あの、気持ちよさといったら
他にない

ぎったん、ばっこん
ぎったん、ばっこん

同じくらいの体重の君の
背後の景色が
空になったり、地面になったりするのを
見あげたり、見おろしたり

ぎったん、ばっこん
ぎったん、ばっこん

飛び上がりは
自然に背筋が
のびのびとして
気持ちよく
降りると
しっかりした足元に
安心する

おわりたくない
見つめあいが
はじまっていた

君がいたから
僕はいる

2015/03/14 (Sat)

[203] 快晴
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

葉っぱを
ゆっくりと
二つにさく

別れは
じかに
じっくりと
みつめたものだけに
新鮮なありていを
さらけだしてくれる

そとは晴れ

2015/04/02 (Thu)

[204] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

どこまでも
どこへでもいく

命は海原をさすらう
船のよう

心は真っ白な帆
時は真っ青な風


2015/04/11 (Sat)

[205] とおり
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

いろんな人が通りすがるこの通りで
夫婦で弁当屋をやっていけるのは幸せな事だ
そう信じている
そんな目をした店主から
お釣と弁当を受けとる
「すみません、そばも貰えますか」
「はい」
沖縄の弁当屋には、たいがいどこの店にも沖縄そばがおいてある
左手で受け取ったポリスチレンのどんぶりを片手に
右手で前歯へくわえさせた割り箸をそのまま二つに裂く
とっさの爆音に見上げると
朝の訓練なのか
F15が上空の雲の隙間に見え隠れしながら海へ向かって旋回していく
コックピットから見える
パイロットのゴーグルには海に浮かんだ島の様子が
流れ去っているのだろうか

58号線の中央分離帯に立ち並ぶヤシの木々と
それを挟んで、押し合うように密集した街並みに対面する
フェンスの向こう側に広がる芝生をたたえ優雅に立ち並ぶ住宅地
親父が米軍の雇用員だったからなのか
不愉快だと思った事はないし
それどころか、この光景を愛しく思いもする

いつか
訓練場への移送途中だったのか
信号待ちでたくさんの兵士達を乗せた軍用トラックの後ろに着けた乗用車の私と
一瞬、目を合うわせた青年兵の
蔑むような鋭い眼光も思いだされた
「中国人も来ますか」
「はい、近くにホテルがありますから」
富裕層と呼ばれる人達が
不動産を物色しているという噂もある

中学生の頃
学校の近くに、中国人らしい家族が営む弁当屋があった
ぐれた同級生が売り物を万引きしようとしたところを
店主の息子と、とっつかみ合いになり
それがもとで停学処分となった
しばらくして
受験勉強で放課後に隣り合わせた時に
店の息子は強かったと
話してくれた

麺もスープも残らずたいらげ
満足してゴミ箱へ器を放り捨て
「ごちそうさま」
「ありがとうございました」
そばは麺類だから
起源はきっと、中国あたりにあるのだろう
本当に美味しいと思う

弁当を助手席に置き
エンジンキーを回す
射し込みはじめた朝日に
ダッシュボードからサングラスを取り出して掛ける
弁当屋の前には
中国人らしいグループが店先に詰めかけている
F15は
滑走路へ着陸姿勢に入った
それら、サングラスに映る景色のその下で
まえを見ている





2015/07/06 (Mon)

[206] やりたい事
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

本当にやりたい事がある
なんて幸せだろう
やりたくて、やりたくて、たまらない
やりたい事があるのだから

あの水平線の向こう側から
すべてを明らかにせずにはおけない
日射しが
物事の良し悪しをさらけ出しに
やってくる

さあ、見てくれ
なにもかも僕はやってきた
やりたい事をやってきた
どこへだしても
恥ずかしくないつもりだ
あとは
誰が勝手に思うがままでも

やりたいことをやる



2015/12/29 (Tue)

[207] かろやか
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

今日は仕事が休み
昼間からビールを買いに
近くのスーパーに歩いて行く
帰りがけに
住宅街に小さくたたずむ公園に
私の子供たちが
ボール蹴りをして遊んでいる姿が見えた
これでいいと
思った。

2015/11/23 (Mon)

[208] いつのまにか
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ほろほろと、途切れておくれ
何事も
私の馬鹿馬鹿しい弱さに
絡めとられる事なく
やすやすと

2015/11/29 (Sun)
339件中 (151-160) [ << 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 >> ... 34
- 詩人の部屋 -