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遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[250] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

まとまるか
問いかけてはならない
なら
詩ね
という意味か

我が家は
四階建てのマンションの四階
そして
嫁はもう少し働ける時間を増やすと話した
これは
新しい物語
フランダースの犬みたいに
俺はなるのか

2019/08/18 (Sun)

[251] あの
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道端の水溜り

空の影は雲
明るさのみかえりは瞼の裏側
乾いてなくなる

言いたい事は無い

2019/09/28 (Sat)

[252] 朝夕
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

水平線から
朝日と夕日を
あたりまえに見える
小さな島に住んでいる

人の
どんなシャンデリアやステンドグラスの名工でも
あの荘厳で慎ましやかな
始まりと終わりの光のスペクトルの調合を
世界中にばら撒く事など出来はしない

どこまでも広がる
青い空と
青い海と
その境目にある
小さな島

自分が汚れてしまっているから
美しいものがより美しく
見えてしまうのか

そんなわけない



2019/10/06 (Sun)

[253] 居るか
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この性格が手伝って
思うより随分独りよがりな年齢に
成り果てて、いや、つまらないね
ゴメンね
昨日も傷つけて今日も
こんな俺は
毎朝新聞配達

「手続きが必要ですね」

係員がやってくる

「お頭がお悪いお方々にはお薬をお与えさしあげております」

漫画読めよ

「北極の拳」とか
「ドラエモボール」とか
「ツーピース」とか

最高だよ

55の兄貴は昨年親父に先立たれて
ニート卒業後
電気代が払えなくても働きたくないから
電気切られた。
句読点さ、ぜんぜん丸じゃないから

なんにもない
美しい月夜の海原に
イルカが飛び跳ねる

まだうす暗い朝日の届かない路地で
新聞配達をする

明後日も


2019/10/12 (Sat)

[254] プライド
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誰かが
「あなたの為」だと語りかけた

クサムシがちょこちょこと
腕立て伏せをする手のひらの横を通り過ぎる

「何の為にこんな無駄な事をするのか」

柳の枝がやんわりと垂れかかるそばを走り抜ける

モンハンはやり込んでるから
そこそこ強いはずがオンラインでたいがい誰かに迷惑をかける

「何の為にこんな無駄な事をするのか」

俺がやりたいからに他ならない

嫁がパート先でパワハラを受けて退職を考えいると話してくれた

誰の為の「あなたの為」なのか



2019/10/20 (Sun)

[255] 言いたい事は語れていない
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ウォルト・ディズニーの
ミッキーマウスの夢のような
地球からは見えない月の裏側で
ミニーマウスと優しいキスがしたい

カンボジアでは
裕福そうな外国人に
家族を養うため
自分を買うように懇願され
少女が足元に泣き崩れた

ルーベンスの絵画の前で
フランダースの犬のみたいに
小さな天使達に囲まれながら
パトラッシュを暖かく抱きしめたい

小さな残酷の欠片
可愛らしい捨て猫に
指先を舐められたら
ザラザラした舌先の感触がありのまま
痛みが残った

2019/10/22 (Tue)

[256] 残酷物語
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爆竹で
遊べたころ
俺はしこたま
蟻塚に爆竹を押し込み
吹っ飛ばした

夕飯の匂いが、どこの家からもして
蟻になんの恨みもないのに
やり抜た満足感が夕飯と火薬やら
蟻達の死骸とばらけ
足元にさらけだされていた

もう暗くなりかけの
夕闇を背に 
我が家の扉を開くと
もう今は無き母が台所で何かしらしていて

記憶と言うものは
なんとせつないものかと
つくづく思う


2019/11/04 (Mon)

[257] 無題
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

暑かった頃 
優雅な星星の瞬きに
覚まされながら
股間の疼きに
どうにもさいなまれ
ラッカー塗装の香りとプラモデル

走り書きさ
そんなあざとらしさ

痛みの位置がどこであろうと
言い訳の許されない
恥ずかしさ
 
まわるい地球
まわるい私
この
せちがらさ

どこか
謝ってすむ事なら
どんなにか
幸せだろう

記憶の宇宙を駆け巡る

わざとらしい

2019/11/25 (Mon)

[258] 絵画
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ありがとうございます
いつも
本当に感謝していて
伝えたい言葉に何の価値があるのか
わからないくらいに

詩ね
お前の血の匂いがぶち巻かれ
犬なんて鎖で繋がれて
かわいそう

パトラッシュ
僕は眠いんだ
ルーベンスみたいな
キリスト教徒みたいには
慣れそうにもない

乾いた絵の具
ひつ濃くて
無慈悲な私

2019/12/29 (Sun)

[259] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

朝焼けより夕闇がいい
始まりより終わり
生まれ方より死に方
終わり方の方に惹かれるのに
その時には僕はもういない

生きる程
苦しい
それでも
増していく喜びもあるだろう
全部あたりまえみたいに
ならないように
感謝しなければならない
感謝感謝感謝感謝
感謝しなければならない
見回してもそんな事柄に包まれ
それを忘れる浅はかさにつきまとわれ
たえず耐える強さを探すしかない
産まれた時から死に向かって
生きるしかないのに
それが目的ではなく
誰も選択も許されず
死より最悪の絶望はないとしても
それでも産まれて生きるこの一瞬すら
奇跡に近い一瞬
どんなにか絶望的でも
人生は誰かに肩代わりさせては貰えない

まあいい
今晩は誰かと
おでんが食べたい










reiwa2019

2019/12/30 (Mon)
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