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遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[403] 感謝
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

冷凍されて
カチンコチンのカルピスの
ペットボトルを
金城さんにお礼で渡した。

朝、夜、朝、夜
夕日、朝日夕日朝日夕日、週末

集合住宅の廻廊の排水口に
子猫が居座っていて
いられても困るし
仕方がなく
その前に
練ニンニクを絞り出してやると
翌朝には
居なくなった

天然素材の
良し悪しの要らない
責任転嫁らしい

でも俺
金城さんに貰った魚より
やっぱり
カチンコチンに凍ったカルピスを
やっと溶け始めたそれを
飲みたかった

灼熱の防波堤の釣り場で

2025/06/21 (Sat)

[404] 前進
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たまにより
ふつうくらいに
けがをする

こっちが優先だろうが
飛び出してきておきながら
ドライバーの顔を確かめようとすると
目も合わせようともせず
ゆきすぎる

俺もああしたりする

わかりきっていて
なににもなりきれず
さだかでない

どこにでもある

推し量られ
意図をそしられ
無分別の烙印に焼かれ
小手先が丸くなる
どんどんと どんどんと

かさぶたが
かってにはがれる
くりかえし くりかえし

幾年月、幾代も
男はどうにかして
家族を養ってきたからなのだろうから
釣りを休むと
なにかしら嫌になる
それは言葉にはどうにもできない
自然の理不尽さと対峙してきた
受け継がれてきた性なのだろう

行くだけさ





2025/07/13 (Sun)

[405] もしもしも
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ポエムが見る夢があるのだとしたなら
それはきっとリアルだろう

「まごうことなき生身の血肉になりたい」

ポエム、ポエム、ポエム

どこにもないもの

つくられた理由からのがれられないもの

いいわけからはじまるもの

紡がれた時から大空へと糸を切られ
解き放たれたカイトのよう

ポエム、ポエム、ポエム

何にもなれず

どこへも行けず

夢へ向かう自覚だけを漕ぎ手から託された櫂

どれほど文明がすすもうとも
単細胞生物すら人は作れないように

エデンの園を追われたアダムとイブのように

アインシュタインが追い求めた量子もつれのように

「ごきげんよう」

「ごようのおもむきはなんですか」

それはなんのよう

命になりたいポエムのよう

2025/07/20 (Sun)

[406] ピノキオ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

「生きていないのなら死んでいる」

嘘をつくと鼻が伸びていく

「死んでいるのなら

生きていてもしかたがない」

鼻先が伸びていく

「嘘がいやでしかたがないはずなのに」

鼻先がどんどんと伸びでいく

嘘とかそうじゃないとか
真っ二つに分けて
引き裂いてしまう
考えが

嫌だ

「鼻先がどうなったのかだって

そんな話しがさ」

この体を
引き裂いたところで
薪にすらなれないのに

鼻先がまたどんどんと伸びていく


2025/08/07 (Thu)

[407] 空と海
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

忘れてしまいたいことは
空の彼方へと流れ去り
失ないたくなかったものは
海の深みへと沈んでいく

空や海を眺める時
えもいわれぬ感情が
呼び覚まされるのは
しかたがない

明るいうちは青く広く澄みわたり
暗くなれば黒く深く遠い
どんなにか目を凝らそうが
あくことなく手を伸ばそうとも
なにもとどきはしない

空を見れば
大切な約束があるような
海を見れば
探しに行くべき何かがあるような
そんな思いに駆られてしまう

鳥のように
飛び回りたいだとか
魚のように
泳ぎ回りたいとか
そんな話しではなくて

嬉しさや悲しみ
後悔と自信
男と女

どうとも言えはしないが

明日もまた
水平線の彼方から日は昇り
月もまたそこへと沈んでいくだろう




2025/08/10 (Sun)

[408] 有宛
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

君は悪魔か
自覚があるなら
きっとそうなのに違いない

嘘って言われようが
本当の事が
なんかあんたに良いこと
してくれたことがあったのかい

正直なんて代物は
土壇場では
さいの目よりやっかいで
金にすらならない
ようするにだ
糞と同じさ 

頭が悪くて
死ぬほど金が欲しいなら
死んだ方がましな
生き方をするしかない

それとも

君は天使かな
真実を軽やかに羽織り

愛を愛し愛に愛され
誰にでも誰からも
愛おしまれ

憎しみなんて
何も生み出せない
負の連鎖は世界を時代を
苦しめつづけるだけ

そうして
愛そのものになりたいのなら
全てを分け与えるといい
それでも後悔のないその時は
たとえ死すら
君にダメージを与えることは
出来ないだろう

どちらも選べない

選ぶ必要にすら
疎ましさを感じるようなら

君は人だ

善と悪を自分だけの
都合の良いように
使い分ける
全てを他人せいにも
自分の為にでも
使い分けられる

泣きたい時に泣き
笑いたい時にだけ笑う
悪魔にも天使にもなれず
なりたくもなく
行く当てもなく
孤独を埋め合わせる手段に
人生の全てを賭する
ただただ無駄に

それなら
いっそのこと

神になれたならいいのに

2025/08/30 (Sat)

[409] 健康
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自分でも読みたいものを
書けない時がある
なのに
書きたい時がある

なんだろうね
これは

何がしたいのかね、いったい

考えるに

美味いものを食べたくても
なかなか上手に食材を調理して
より良く仕上がらない
不味いものしか
出来上がらないような
そんな事なのだろう

心も身体と同じで
食べれば動かないと
循環がなりたたない
見たり聞いたり感じたりしたなら
感情をしっかり表にしていかないと
循環がなりたたない

うまくいかなければ
身体みたいに心も不快なら
それはそう
ほら、便秘か下痢みたい
なのだろう

人は
食べて、考える、肉の管
なのだと

どこか読んだような
そんな事を
今日ところは書いておこう




2025/09/05 (Fri)
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