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遥 カズナの部屋  〜 投稿順表示 〜


[404] 前進
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たまにより
ふつうくらいに
けがをする

こっちが優先だろうが
飛び出してきておきながら
ドライバーの顔を確かめようとすると
目も合わせようともせず
ゆきすぎる

俺もああしたりする

わかりきっていて
なににもなりきれず
さだかでない

どこにでもある

推し量られ
意図をそしられ
無分別の烙印に焼かれ
小手先が丸くなる
どんどんと どんどんと

かさぶたが
かってにはがれる
くりかえし くりかえし

幾年月、幾代も
男はどうにかして
家族を養ってきたからなのだろうから
釣りを休むと
なにかしら嫌になる
それは言葉にはどうにもできない
自然の理不尽さと対峙してきた
受け継がれてきた性なのだろう

行くだけさ





2025/07/13 (Sun)

[405] もしもしも
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

ポエムが見る夢があるのだとしたなら
それはきっとリアルだろう

「まごうことなき生身の血肉になりたい」

ポエム、ポエム、ポエム

どこにもないもの

つくられた理由からのがれられないもの

いいわけからはじまるもの

紡がれた時から大空へと糸を切られ
解き放たれたカイトのよう

ポエム、ポエム、ポエム

何にもなれず

どこへも行けず

夢へ向かう自覚だけを漕ぎ手から託された櫂

どれほど文明がすすもうとも
単細胞生物すら人は作れないように

エデンの園を追われたアダムとイブのように

アインシュタインが追い求めた量子もつれのように

「ごきげんよう」

「ごようのおもむきはなんですか」

それはなんのよう

命になりたいポエムのよう

2025/07/20 (Sun)

[406] ピノキオ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

「生きていないのなら死んでいる」

嘘をつくと鼻が伸びていく

「死んでいるのなら

生きていてもしかたがない」

鼻先が伸びていく

「嘘がいやでしかたがないはずなのに」

鼻先がどんどんと伸びでいく

嘘とかそうじゃないとか
真っ二つに分けて
引き裂いてしまう
考えが

嫌だ

「鼻先がどうなったのかだって

そんな話しがさ」

この体を
引き裂いたところで
薪にすらなれないのに

鼻先がまたどんどんと伸びていく


2025/08/07 (Thu)

[407] 空と海
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

忘れてしまいたいことは
空の彼方へと流れ去り
失ないたくなかったものは
海の深みへと沈んでいく

空や海を眺める時
えもいわれぬ感情が
呼び覚まされるのは
しかたがない

明るいうちは青く広く澄みわたり
暗くなれば黒く深く遠い
どんなにか目を凝らそうが
あくことなく手を伸ばそうとも
なにもとどきはしない

空を見れば
大切な約束があるような
海を見れば
探しに行くべき何かがあるような
そんな思いに駆られてしまう

鳥のように
飛び回りたいだとか
魚のように
泳ぎ回りたいとか
そんな話しではなくて

嬉しさや悲しみ
後悔と自信
男と女

どうとも言えはしないが

明日もまた
水平線の彼方から日は昇り
月もまたそこへと沈んでいくだろう




2025/08/10 (Sun)

[408] 有宛
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

君は悪魔か
自覚があるなら
きっとそうなのに違いない

嘘って言われようが
本当の事が
なんかあんたに良いこと
してくれたことがあったのかい

正直なんて代物は
土壇場では
さいの目よりやっかいで
金にすらならない
ようするにだ
糞と同じさ 

頭が悪くて
死ぬほど金が欲しいなら
死んだ方がましな
生き方をするしかない

それとも

君は天使かな
真実を軽やかに羽織り

愛を愛し愛に愛され
誰にでも誰からも
愛おしまれ

憎しみなんて
何も生み出せない
負の連鎖は世界を時代を
苦しめつづけるだけ

そうして
愛そのものになりたいのなら
全てを分け与えるといい
それでも後悔のないその時は
たとえ死すら
君にダメージを与えることは
出来ないだろう

どちらも選べない

選ぶ必要にすら
疎ましさを感じるようなら

君は人だ

善と悪を自分だけの
都合の良いように
使い分ける
全てを他人せいにも
自分の為にでも
使い分けられる

泣きたい時に泣き
笑いたい時にだけ笑う
悪魔にも天使にもなれず
なりたくもなく
行く当てもなく
孤独を埋め合わせる手段に
人生の全てを賭する
ただただ無駄に

それなら
いっそのこと

神になれたならいいのに

2025/08/30 (Sat)

[409] 健康
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自分でも読みたいものを
書けない時がある
なのに
書きたい時がある

なんだろうね
これは

何がしたいのかね、いったい

考えるに

美味いものを食べたくても
なかなか上手に食材を調理して
より良く仕上がらない
不味いものしか
出来上がらないような
そんな事なのだろう

心も身体と同じで
食べれば動かないと
循環がなりたたない
見たり聞いたり感じたりしたなら
感情をしっかり表にしていかないと
循環がなりたたない

うまくいかなければ
身体みたいに心も不快なら
それはそう
ほら、便秘か下痢みたい
なのだろう

人は
食べて、考える、肉の管
なのだと

どこか読んだような
そんな事を
今日ところは書いておこう




2025/09/05 (Fri)

[410] 銀河のように七色に渦巻くコーラ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

指が7本か8本なら
もう少し仕事が出来ただろうか
いや、他にも同じようなやつがいたなら
気持ち悪いだけで、たいしこと無かっただろう

いやいや

姑息な思考パターンだねこれは
もしもなんて間抜けさは
宝くじだけで十分だろう

仕事の話しに戻ろう

どうにも育成と言うやつは
やっかいだ
そもそも
自分ですらまともと育てられなかった人間が
人様の子供をだ
会社勤めに十分に適応出来るように
育てるなんて

そう言えば
なかなか眠れない
幼かった頃の息子達の為に
「タコチュウ·コーラ」って言うおとぎ話しを
即興で、作って話してやったな

ストーリーは
ある日、タコチュウ星人が
突然、主人公の部屋に現れ
「タコチュウ·コーラ」なる
大宇宙で絶賛完売品不足中の
ボトルの中で銀河のように
七色に渦巻くコーラを見せてくれて
その製造工程を家を倒壊してしまったお詫びに
見せてくれると言うものであった
その味は甘美とか、ドラッグみたいな
夢うつつな代物ではなく…
多次元宇宙論とかギリシャ神話、聖書、グリムとかもぐっちゃぐちゃに織り交ぜて
タコの足が何故8本で
人の指が何故5本になったのか
我ながら痛快な話しだったな

まあ、缶コーラのタブなら
指5本で十分に開けられるから
飲みながら、仕事も、若手の育成も

どんな結末にしたいのか
もう少し思い巡らせてみようか





2025/09/18 (Thu)

[411] いろはにほへと
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たとえられないことを
たとえば
なにに、たとえられよう
たとえよう
たとえ
なににもたとえられない
たとえばはやっぱり
よるにちかい
いやとおいい

よる よる よる 

どちらへでしょうか
あちらへですが
そうでしたか
そうなのです

たとえ たとえ たとへ

よる。をわすれてまして
がまんしたのですね
そうなのです
そうでしたか、まあ
あしからずとかだけは
かかないでいてください

わかりましたが
なににも
たとへられたくわない
わたくしなので
ですから
わたしということで

どうなってもしかたがない

2025/09/27 (Sat)

[412] 観察
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

波打ち際の
防波堤の隅っこに
トンボがいて

明日には
台風が来るから
風も幾らか
強く吹き始めていて

神様が

手際よく描いた
デッサンみたいな
美しい線のフォルム

強い筆致で刻まれたような6本の足

機敏にくいっと動かした頭には
空も私も映していたであろう黒い目玉が丸く

川面を思わせる透明な羽と
血色の真紅の身体を
風に弄ばされそうになりながら
佇んでいて

命と言うものは

生きてそこにただあるだけで
十分意味があるのだと言う事を
わからせてくれていた

2025/10/11 (Sat)

[413] 虚構の国のスメル
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

いつも臭いがする

ゴミになるしかない
新聞紙の活字と掲載された占い
まとめて結わえられた
インクの臭い

汚臭が
生活の一部なら
どんな臭いだろうが
平気になるのだろう

頭みたいに
振っても、叩いてみても
硬くなって
使えなくなった
塩コショウ

もうくたくたな
ひげ剃りの
鈍く尖った刃先と
剥ぐにはまだ早すぎた
血のついたかさぶた

どこのどの鳥のものかも分からない
力ずくで引き抜かれた白い羽
アスファルトに残るブレーキ痕と
焼けたゴムの臭い

退屈で気がついた
教室の椅子の下に貼り付けられたガム
踏みにじられたカタツムリにも似た
割れて砕けたスパンコールの欠片

体育館の器具庫でリンチされていた下級生
切れても飛び跳ねて動くトカゲの尻尾

「ビールも随分と値上がりしていて
通勤の為の軽自動車のガソリン代も
馬鹿にならないし」

いなくなってしまっても気が付かれない
雀たち
半分になる前に途中で割れてしまった割り箸

どっさり集めたセミの蛹の脱げがら
エアコンの室外機だらけに見えてしまう景色

久しぶりに見れた流れ星
主人が来るまでスーパーの前で待つ
結わえられた犬

「弁当に焼いて入れてた鮭も
もう目玉焼きで我慢する他ない」

AMラジオのパルスノイズの中
必要な周波数を探す
スマホは圏外だろうとも
どこの誰ともいえない
さだかさだけはある
ラジオの臭い

「トイレ掃除をしたのは先々月だったか」

呼吸をする以上は嗅ぐしかない

2025/10/23 (Thu)
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