詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
君が俺を嫌いでも
俺は君が好きさ
君が俺を嫌いだなんて
どうでもいい事だから
だって
そんな事
俺は知っていたから…
俺が君を好きだとしても
俺を嫌いじゃなくなる必要は無いさ
そしたら
俺の好きな 君じゃあなくなってしまうじゃないか?
だから
どこまでも
どこまでも どこまでも…
俺を嫌いな
俺の好きな
君のままで いてくれ
この辛い気持ちこそが
君を好きな
僕だけの
報いなのだから…
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あまりに混沌とした
真っ黒な世界で
私のこの心を中心に
宇宙を引き剥がし
全てを裏返しにすると…
ただ白い紙の上で
私は一つの黒い点として
ひたすらに
点である意味を研ぎ澄まし
馬鹿に鋭く
ここに存在し 存在し
存在する事以上を
僅かですら願う日々です
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私が伝えたい事は
ささやかさに
そっと添えるようでいて
なのに確かに頑なに
貴方に届けさせて下さい
そう それは
文庫本に挟まれた栞のように
そこから また
怯まず 始められる
勇気と願いを込めて
めくるめく日々のページの狭間に疲れ果て
生きたまま埋もれてしまいそうな夜
それまでの 今までが
無駄でもあったかのように掻き乱し 荒れ狂う
嵐の後にも
明け方
彼方まで淀んだ曇り空の中僅かに覗く金色の晴れ間に一筋の虹が覗くように
丁寧に挟まれた一枚の栞は
何もまだ
終わってはいない
証しの筈だから
幸せになりたくてした
約束がそこにあるから
僕らまた
ここから
始めよう
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コンクリートとアスファルトで固められた地べたに
唾と吐き捨てられた煙草の吸殻
掃除夫達の屈む視野に映る浅はかで怠慢な世代
ひがみと反骨を取り違え
自分の親よりも老いた世代の頬に
先祖が命を費やし受け継いで来た己が土地に
恥を吐き捨て 足の裏で踏みにじり
燻る炎を その血肉の肌に押しあてがい
磨り潰す 有耶無耶な世代
尊厳と言う言葉の重さも知らず
達観を気取り 放蕩と自由の天地の差さえ見分けがつかない
感謝すべき理由を自堕落に濁し
いざとなれば
似た他を引き合いの贖いに
逃げ道の詮索ばかりに慰めを見いだす
意味も無くただそこにある恥ずかしさに麻痺した
その醜態
まるで
路上に吐き捨てられた
吸殻そのものだ
、
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この文字は
確かに 貴方に
届いているのでしょうか?
あてずっぽうで
私は 書いてはいません
貴方の心に語りかけているのです…
もしも 私のこの言葉が ただの自慰なら
私には 貴方が 結局はどうでも良い人になってしまうでしょう…
だから
いつも いつの時も
貴方に
何と話し掛けようか?と
私は迷うのです…
今
貴方が読んで下さった事が徒労にならぬよう
私の伝えたい この大切な思いが
無駄にならぬように
いつまでも
いつまでも 私は迷い続けるでしょう…
言葉は
大切な人を探す為の
術の筈だから
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
幼稚園の頃 動物園で子象の背中に乗せられた
何か勿体のないような順番待ちの中
僕は誰かに両脇を抱え上げられると
ただ突然に空へ
ほうり投げられるように跨がされた
両手に触れたその背中は
ひび割れた皺が渇いた大地のように生温かく
その生えた毛は 痩せた土地の草のように疎らで
上から見下ろした 親や見物人達の よそよそとした期待の様子の遥か高く 遠くにある その土地…
海の向こうから連れてこられて
何が分かっていた筈も無いその子象との出会は
ぞんざいな記憶だけを僕に宛てがい
どうにも釈然としない感触は ただこの手に
今も遠く蘇るばかりだ…
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何もかも
どうでもいい位に青い空
かき氷よりも
かき氷みたいに白い雲
ジーンズの埃を叩いて
日なたに出てみたら
理由も無く
歩るき出せていた
さっき迄の自分が
ばからくて
真っ直ぐに伸びた飛行機曇で
この空を
綱渡りしてみたくなっていた
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
今日は
心には何も無い
白い紙をこのペンで汚してしまうのには 勿体ないみたいだ
さっき
「日曜日に釣りはどう?」って 電話があったから
心は
いよいよ清らかだ
今日は何も書きたく無い
とても「幸せ」だ
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
私を心から愛おしい気持ちにさせ
報いを必要ともせずに
恥ずかしさと情けなさに塗れながらも
それとは知らずに
私は『詩』を書いてみたいと願っていたのです…
何も有りません
ただ そこに咲いた
一輪の無駄も余裕も持たない
花が
いつの間にか
そうさせて いたのです
であるならば
何も無くとも
私の書く文字が
いつか逆に
花のように 何かが咲く事を
促してはくれないかと
夢見
また願いもするのです
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ほんの ひとときの
きらめき
笑いはじける
水しぶきと虹
肺を満たす清涼感
抑え切れないときめきが
雫に跳ねた若葉の頃
川のせせらぎ
戻らない 一瞬 一瞬
切なさに 追いつかれるよりも先に
はしゃいで飛び込んだ滝壺
日の射す
渇いた岩の上には
翼をやすめた蝶のように
色とりどりに乾されたシャツたち…
滝のほとり
あの日の僕らを映し
過ぎ去った
澄んだ清流のみなも
その 今もたゆまない
眩しさよ…