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遥 カズナの部屋


[138] 音沙汰
詩人:遥 カズナ [投票][得票][編集]

















遠いようで
近くのように
離れて行きそうで
すれ違いそうな手触り

サラサラとした
小さく
白い
紙コップ
底へ
繋いだ
糸が
もつれないよう
ちぎれてしまわぬように
耳に
かぶせたり
口に
押し当てたり

「大変、だったな」

すかすかの
思いやりの
ちじれた毛ほどの
有り体を
足元に
見おろす

外では
風にひっくり返された
バケツの転がる音が
もう
どこかにかでも
ひっかかって
静かになっていた














2010/05/23 (Sun)

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