詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
亡骸は濁点の蟻に担がれ運ばれていく
パラパラマンガのように
一文字、一文字が
誰かの自由の養分にかわっていく
山羊小屋は
十分に腐りきった肥沃な肥料は
こうなるだろうとわかる臭だけにつつまれている
そこへ僕を連れこんだ彼女を
後ろから下着をずり下ろすと
丸見えなサラサラとした尻の片側がひび割れ
踏み潰されたカタツムリの内臓を覗かせていた
この手に
握り潰すようにじかに味わいたくても
戦場の死人の、見開いた眼球の速度で乾き初め
フイルムカメラのシャッター音も間にあわないくらいばらけたピーナッツの薄い皮みたいに
パリパリと剥がれ落ちて
ちらばっていった
そんなやりとりの後
剃刀で互いにの体の毛を剃り合い合い
自尊心の固め合いがはじまる
「ねえ、皆が君の事をどう思っていのか、知ってる?」
ビールを一口、そしてもう一口、口に含めば
世界一周
「僕に乾杯」
言う事はもう、なにもないよ