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遥 カズナの部屋


[209] 入浴
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

夜の浴室には
バスタブがあり
チャプチャプと水の中にある
なにもないような
いけないような
哀しみが
目を細めさせたがる

誰も知らない近さや遠さは
栓を抜いてさえしまえば
とりかえしのつかない
繰り返しへと吸い込まれ
もう指先を差し入れても
間に合いはしない

湿った手の甲で
唇を拭くように撫で
暗闇で呼吸を繰り返すだけだ

2015/12/30 (Wed)

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